カナダ軍事誌・漢和ディフェンスレビューは公開された興城基地の衛星写真
J-15艦載機は2012年、空母「遼寧艦」の甲板上で発着陸に成功した。これは中国海軍の空母作戦使用能力が大幅に向上したことを示すものだ。J-15の空母発着陸の裏側には、艦載機試験飛行センターの大きな貢献があった。カナダ軍事誌・漢和ディフェンスレビューは公開された衛星写真を分析し、中国海軍の艦載機試験飛行センターが、遼寧省興城市にあると判断した。同月刊誌の3月号に掲載された記事の内容は下記の通り。
2012年9月の最新の衛星写真は、遼寧省興城市に位置する中国海軍空母艦載機模擬試験飛行センターを初めてとらえた。これはニートカ(旧ソ連海軍の艦載機パイロット試験飛行センター、ウクライナ国内に位置する)の中国版と呼べる。両者のスキージャンプ式甲板の外観は完全に一致しているが、興城基地の規模はニートカを上回る。
同基地は二つのスキージャンプ式甲板を持つが、ニートカは一つのみだ。中国海軍は、2隻の空母(二つの飛行団、計48人)の艦載機パイロットを同時に訓練していることになる。1本目の滑走路の模擬甲板の外観は遼寧艦と完全に一致する。この着陸訓練用の甲板は全長が3329メートルに達し、米海軍と同様に4本のアレスティング・ワイヤーを取り付けている。2本目の滑走路の二つのスキージャンプ甲板は全長が670メートルに達し、海岸から375メートル離れた地点に設置されている。これは海上の気候と風速に出来る限り近づけるための配慮だ。
同基地は二つの海軍艦載機飛行団を同時に収納することが可能だ。同基地の規模からは、より多くの空母を保有しようとする中国海軍の戦略的野心が見て取れる。遼寧艦のパイロットを訓練すると同時に、初の国産空母のパイロットの訓練も同時進行できる。その後は2隻目・3隻目の国産空母のパイロットを同時に訓練することになる。