中国の両会に対する世界の注目は、米大統領の一般教書演説に対する注目を上回り始めている。これは世界における中国経済の地位と役割の重大な変化をはっきりと示すものだ。(文:胡鞍鋼・清華大学国情研究院院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国のマクロ経済をどう見て、どう評価するか?比較して初めて鑑別が可能になる。これには国際的な視点との比較が必要だ。中国はすでに世界経済に深々と、大規模に融け込み、世界最大の製品貿易国、世界第2の経済大国となり、世界経済に深い影響を与えている。一方で世界経済も中国経済にかつてない影響を与えている。特に世界金融危機を背景に、中国も身勝手ではいられないし、国際社会からくる予測不能な衝撃に常に対処する必要もある。
世界金融危機はすでに5年の長きにおよび、国際経済情勢は依然複雑に入り組み、可変的要素に満ちている。世界経済は低成長が続き、欧米日の三大経済体は依然として様々な経済危機の中にある。例えば欧州連合(EU)の債務危機と高失業危機。経済成長率はほとんどゼロ成長またはマイナス成長で、「失われた10年」の最中にある。米国経済はやや成長(2%前後)し、失業率は高止まり。財政の崖は連邦政府の拠出の自動削減に転化し、ホワイトハウスですら「経済成長と雇用の首を直接絞める」と考えている。日本の長期経済低迷、巨額の債務、技術的にはすでに破産した日本政府。これは典型的な「日本病」と見なされ、第3の「失われた10年」の最中にある。
不況と危機にあえぐ欧米日の対極にあるのが、活力に満ち、日の出の勢いで発展する中国だ。データを使い、事実によって証明しよう。世界の5大経済体(EU、米国、中国、日本、インド)の2012年度の主要マクロ経済データを比較すると、中国は経済成長率と工業生産額(付加価値ベース)増加率が最高であるほか、インフレ率、失業率、財政赤字の対GDP比が最も低い国であり、経常黒字の対GDP比も2007年の10%から2.6%へと下がり続け、世界の貿易不均衡の調整と解決に実質的な貢献を果たした。世界の経済成長と貿易の伸びに対する貢献率で中国は米国を抜き、27カ国からなるEUも抜いた。