また、国境をまたぐ河川の水資源の問題が、最近インドメディアで比較的大きく取り上げられている。中国国内を流れるヤルツァンポ川はインドに入るとブラマプトラ川と呼ばれる。一部インドメディアは中国によるヤルツァンポ川のダム建設が下流のインドの民衆数千万人の生活に影響を与えたと言っている。実際には中国は長年来、中印友好の大局と人道的精神に立って、インド側への河川増水期の水文資料の提供や緊急事態への対処などの面で数多くの取り組みをし、下流の洪水防止と減災に重要な役割を果たしてきた。われわれは、この河川が上流と下流の両国人民にとって共通の命の源であり、流域の人々はみな合理的に利用できることを様々なルートを通じてインド側に繰り返し伝えてきた。国境をまたぐ河川の開発と利用について、中国側は一貫して責任ある姿勢で、開発と保護を併行して進める政策を実施し、全ての新事業について科学的計画と論証を行なっている。現在中印間には水文資料共有制度が築かれ、良好に運用されている。両国は相互信頼を基礎に問題を適切に解決し、国境をまたぐ河川の水資源を共に享受することができる。
中印間にはいくつかの問題が存在するものの、依然友好協力が両国関係の主流であり、将来の発展の大きな方向性でもあることに喜び、安堵させられる。現実が物語っているように、中印関係は日に日に成熟している。双方共に、アジアの隣人、急速に成長する世界の新興市場として両国が経済発展と民生改善という共通の歴史的使命を担い、似た試練に直面し、共通利益が溝を遙かに上回ることを認識している。中印関係はすでに健全で正常な軌道に沿って運行してきたし、今後もそうだ。
習近平主席は3月に南アフリカ・ダーバンでインドのシン首相と会談した際「世界には中印の共同発展に十分な空間があり、それを必要としてもいる」と指摘した。双方が友好的協力という大きな方向性をしっかりと把握し、互いに理解し、尊重し、信頼し、各分野の交流と協力を深め続けさえすれば、両国は必ず手を携えて中印関係のより素晴らしい明日を築くことができると、われわれは堅く信じている。
「人民網日本語版」2013年5月14日