中国南アジア学会の孫士海会長は「インドとパキスタンは南アジアで最も重要な国であり、中国にとっては安全保障、発展、周辺地域の安定のいずれにおいても重要な意義を持つ。李総理の初の訪問によって印パ両国が地域の安定に積極的な役割を果たせることが確定する。中国も印パ両国との政治、経済、人、文化交流を含む全方位的な各分野の協力に努めている。中国は南アジア問題に参与する中で、印パ関係の緩和に積極的な役割を果たした」と指摘した。
李総理は続いて欧州のスイスとドイツを訪問する。欧州初の訪問国にスイスを選んだ理由に注目が集まっている。英紙フィナンシャル・タイムズ(16日付)によると、スイスのヨハン・シュナイダー=アマン経済相は、すでに中国と自由貿易協定(FTA)の技術的細部について詰めており、数カ月以内にFTAが締結される可能性が高いことを認めた。中国の蒋耀平商務副部長(商務次官)も李総理のスイス訪問について説明した際「近年、中国とスイスのFTA協力は突破的な進展を遂げた。9回の協議を経て交渉は積極的に進展し、幅広い共通認識に達した。互恵・ウィンウィンで質の高い合意の一日も早い達成を希望する」と表明した。中国社会科学院欧州研究所の周弘所長は「スイスは経済と産業が発達し、産業面の優勢が際立っており、中国が学ぶべき多くの先進技術を持つ」と指摘した。両国関係は新たな発展の契機を迎えている。中国とスイスのFTA交渉には一定の代表性と象徴的意義があり、今後の中国と他の国々とのFTA交渉に貴重な経験を多く提供した。李総理の訪問によって、両国の協力がより良く促進される。
最後の訪問国がドイツであることは予想の範囲内と言える。ドイツはEUの大国であり、中国にとって欧州最大の経済協力パートナーでもある。政治的相互信頼が高まり続けるに伴い、中独協力の戦略的中身も日増しに拡充している。両国の指導者は新たな情勢下での実務協力の深化、中独戦略的パートナーシップの包括的推進について高度の認識を共有している。ドイツは今回の訪問の総仕上げでもある。
周氏は「中国にとってドイツは欧州最大の経済協力パートナーだ。中独は共に製造業大国であり、製造業その他の分野で広範な協力の余地を持つ。李総理の今回の訪問によって両国協力に新たな分野が切り開かれ、一段と人的・文化交流が促され、相互信頼が深まり、疑念が解消され、ドイツ国民が中国と中国の発展をより良く理解するようになる」と指摘した。
「人民網日本語版」2013年5月19日