洪磊報道官
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は2日の年次報告で、2012年と比べて中国、インド、パキスタンの核弾頭数が約10発ずつ増加した一方で、核大国ロシア、米国の核弾頭数は多少減ったと指摘した。AFP通信は3日、この数字について「おおよその推計に過ぎない。決して透明ではない核保有国があるからだ。中でも中国は全く不透明だ」と指摘したうえ、アジア地域は軍拡競争の危険性を抱えるとの認識を示した。これについて中国外交部(外務省)の洪磊報道官は3日「中国の核政策ははっきりしている。中国の核戦力は完全に自衛目的に用いられており、これまでいかなる国にも脅威を与えたことはない」と表明した。環球時報が伝えた。
AP通信は3日、報告を引用して「2013年初めの段階で全世界の核弾頭数は約1万7265発で、2012年の1万9000発と比べいくらか減った。国別に見ると、戦略兵器削減条約の制約を受けて、最大の核保有国であるロシアは2012年の1万発から2013年には8500発に、米国は8000発から7700発に減った。第3の核保有国であるフランスは300発を維持。中国は240発から250発に増えた。英国は225発で安定している」と報じた。
報告は「米露は核弾頭の数量はもう増やさないが、核兵器の全体的性能の向上に努力している」とも指摘。ケラー氏によると、露米両国は共に核計画の改良に着手し、新たな長距離爆撃機の開発に尽力している。ロシアはより小規模で、より強力な軍隊の整備に向けて邁進している。軍事費が世界最大の米国は今後10年間で関係分野に2140億ドルを投じる。「皮肉なのは、オバマ米大統領は2009年にチェコの首都プラハで行なった演説で核兵器の段階的廃絶を呼びかけたが、事実上米国は核戦力の『トライアド』、すなわちペンタゴンの長距離爆撃機、ミサイル、潜水艦発射ミサイルの保持をすでに決意したことだ」。ケラー氏は「核保有国が実施している核兵器現代化計画は、依然として核兵器が国際的な地位と力の象徴であることを物語っている。中国も核兵器の質の改良を図っている。米国が長距離通常攻撃能力などに力を入れていることで、中国は自国のミサイルがより攻撃を受けにくくなるよう移動性の向上を図っている」と指摘した。
中国外交部の洪磊報道官は3日「中国は核兵器の全面的な禁止と完全な廃絶を一貫して主張し、積極的に提唱し、自衛・防御の核戦略を揺るがず遂行している。中国はこれまで他国に核兵器を配備したことも、いかなる形の核軍拡競争に参加したこともなく、自国の核戦力を国家の安全に必要な最低水準に維持し続けている」と表明。「外部は中国の限られた核戦力について勝手な憶測をしないでもらいたい。最大の核保有国は核軍縮に対して特殊な責任、率先的な責任を負う」と述べた。
「人民網日本語版」2013年6月4日