オフィスには専用の固定電話が設置されているが、飛行機に乗るときはどうするのだろうか。ここではハイテクな設備が登場する。米大統領が搭乗する専用機エアフォースワンにはアンテナが無数に設置されおり、いつでも指示を出せるようになっている。あらゆる通信手段、そして通信妨害や機密漏洩を防ぐシステムが搭載され、短波や超短波など様々な衛星通信に対応しており、暗号化システムも完備し、飛行機に乗って世界大戦の指揮をすることだって不可能ではない。
一国のリーダーが国際会議などで他国を訪問するとなると、盗聴の防止が大きな問題になってくる。米国のやり方はまず、なるべく自国が経営しているホテルに滞在することだ。それでも、「安全」だと思える場所がなかった場合、例の特殊なテントを使用する。BBC(英国放送協会)はかつて、米大統領が海外訪問の際に使用している専用の「機密漏洩防止テント」の詳細を暴露したことがある。
報道によると、このテントの正式名称は「機密情報隔離施設(Sensitive Compartmented Information Facility(SCIF)」と言う。SCIFには独自の空気供給システムが備えられており、外部からの電波を寄せ付けないだけでなく、内部からもセキュアな暗号化された電話線を通してでしか、外部の通信衛星に信号を送ることはできない。SCIFの内部にはリモートコントロールシステムはなく、信号の大部分が光ファイバーを通して伝送され、通常の通信ケーブルのように簡単に盗聴することはできない。また、SCIFには遮音性能があるだけでなく、浸入探知システムが備えられており、様々な浸入を防ぐことができる。限られた人間しか内部に入ることはできず、出入管理にはPINコード(知識認証)とICカード、生体認証の複合認証が必要である。移動式のSCIFは大部分の組立てパーツを長さ2インチの箱に収納することができ、持ち運びと設置が簡単で、米大統領の海外訪問には欠かせないものとなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年6月19日