ロシアメディアは米中央情報局(CIA)元職員で「PRISMスキャンダル」を暴露したスノーデン氏が24日、モスクワから飛行機でキューバのハバナに向かったと報じた。だがAP通信は、スノーデン氏が搭乗するのを見ていないとしている。空港の消息筋によるとスノーデン氏は搭乗手続きはすませたものの、結局搭乗しなかった。スノーデン氏が最終的にどの国に行くのか、まだはっきりしない。
AP通信によると米国はすでにスノーデン氏の向かう可能性のある国と外交ルート、取締り当局ルートを通じて連絡を取り合っており、同氏について犯罪を告発された追跡逮捕の対象であり、最終的に米国に戻り裁判を受けるほかないとしている。米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官は「スノーデン氏を米国に送還して裁判を受けさせるよう、『あらゆる可能な選択肢』をロシア政府が検討することを希望する」と表明した。一方、ロシアのスルツキー下院議員は、スノーデン氏の送還を要求する米国の発言は「挑発」であり、露米関係の発展を脅かしていると述べた。
米メディアは、米国の直面している問題は、ロシアとの間に犯罪人引渡条約がないことだと指摘する。米国とキューバ、ベネズエラ、エクアドルとの間には犯罪人引渡条約があるが、いずれの国も政治的理由でスノーデン氏を「例外的」に処理できる。米下院情報委員会のロジャーズ委員長は、オバマ政権は「あらゆる法的ルート」を通じてスノーデン氏を逮捕し、裁判にかけるべきだと指摘する。スノーデン氏の保護要請を受け入れないよう米国はエクアドル、キューバ、ベネズエラに求めているが、すでにエクアドルの駐露大使が空港で同氏と会ったと報道されている。
エクアドルのパティーニョ外相は24日夜、ベトナムの首都ハノイでスノーデン氏の政治亡命申請について記者会見を開き、同国がすでに亡命申請を受けて検討を急いでいることを明らかにした。エクアドルの政府系メディア・アンデス通信社によると、同国は現在スノーデン氏の保護要請について「真剣に検討」している。アンデス通信社によると、パティーニョ外相は「こうした状況の下、われわれは人権の趣旨を第一に置く」と表明。「スノーデン氏に早急に回答する」とも述べた。
中南米ニュースサイトは、エクアドルが最終的にスノーデン氏を受け入れれば、米国に挑戦状を突きつけたに等しいと指摘した。
「人民網日本語版」2013年6月25日