シャングリラ会合が6月3日、シンガポールで幕を閉じた。会合で、米国のヘーゲル国防長官は、2020年までに60%の海軍軍艦を太平洋地域に配備すると強調したうえで、本土を除いた空軍の60%をアジア太平洋地域に配備すると発表した。
イラク・アフガン戦争からの撤退後、「アジア回帰」「戦略的重心の東へのシフト」「アジア太平洋戦略リバランス」などの言葉を頻繁に耳にするようになり、巨大な米国の武器が中国周辺に集まっていることがよくわかる。一時期、米軍はアジア太平洋地域で配備を調整しているとメディアはしきりに伝えた。
しかし、注意深い人であれば、米国のアジア太平洋戦略はひたすら「部隊が押し寄せている」のではなく、「前進」「後退」していることに気がつくだろう。
前進
F-22ラプター、オスプレイ、原子力潜水艇
沿海域戦闘艦がアジアに詰め寄る
米国東海岸のバージニア州にあるラングレー空軍基地所属の戦闘機F-22ラプター12機が今年1月、西方向に1万キロ以上飛行し、沖縄県の嘉手納基地に着陸、同基地で4カ月間の任務を行った。
また、米軍は、数年後にこの極東最大の嘉手納基地に輸送機V-22オスプレイを配備することも計画している。
今年4月、朝鮮半島の情勢緊迫化を受け、米海軍の攻撃型原子力潜水艦シャルロットがグアムに到着、駐屯した。その前には、「キーウエスト」「シカゴ」「オクラホマ・シティ」が同基地に配備されるなど、4隻のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦が第二列島線の中心であるグアムで待機している。
4月18日、沿海域戦闘艦フリーダムがシンガポールのチャンギ海軍基地に配備された。その前に米軍は、シンガポールに交替で最多4隻の沿海域戦闘艦を配備し、極めて重要なマラッカ海峡の守備に当たらせると発表している。
実際、アフガニスタン撤退後、米軍は海軍の電子偵察機EP-3や対潜哨戒機P-3Cなど多くの戦艦と偵察設備をアジア太平洋地域に移してきた。空軍については、グアム島アンダーセン基地は戦略爆撃機B-52、B-1B、B-2Bの配備と保障能力を強化し、グローバルホーク、火力偵察兵などの無人偵察機、さらには引き渡されたばかりのステルス戦闘機F-35Aも近く中国周辺に頻繁に姿を見せることになっている。
地上部隊においては、イラク・アフガン戦争から撤退した第1海兵遠征軍、陸軍第25歩兵師団は元の太平洋地域の駐屯地に戻り、陸軍第1軍団もアジア太平洋地域に配備される。これにより、米軍のアジア太平洋地域における存在力は高まることになる。
米海空軍の6割が太平洋に配備 進む「アジア太平洋戦略リバランス」(二)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年6月26日