これには中韓関係の新たな位置づけが必要だ。中米は現在、新型の大国間関係の構築に尽力している。これは韓国にとって戦略的立場の改善に極めて有利であり、「経済上は中国に頼り、安保上は米国に頼る」という二股状態を続ける必要がなくなる。韓国は中米の新型大国間関係にプラスのエネルギーをもたらすことが完全にできる。朴大統領は4月に米議会で行なった演説で「将来のアジア新秩序は、域内諸国間で経済的相互依存が次第に強まる一方で、政治・安保面の協力は後退しているという『アジアパラドックス』をどう管理するかにかかっている」と指摘した。米国のアジア太平洋回帰がもたらした正常でない状態を乗り越えれば、韓国は典型的な中進国の強国、中国は典型的な新興国の大国であり、両国は特殊な新型の大国間関係を築き、G20や東アジアの協力枠組みで戦略的協力を展開し、新興国と中進国により有利な方向への国際秩序の発展を促すことが完全にできる。
これには中韓関係のアップグレード版を築く必要がある。中韓は1992年8月24日に国交を樹立した。両国関係は急速に発展し、1998年に21世紀志向の中韓協力パートナーシップの構築、2003年に包括的協力パートナーシップの構築、2008年5月に戦略的協力パートナーシップの構築という、関係の三段跳びを実現した。
中韓自由貿易協定(FTA)の一日も早い締結は中韓関係のアップグレードと発展に希望をもたらす。すでにフィージビリティスタディが長く行なわれており、協定締結の条件はほぼ熟している。どの水準のFTAを締結するかで双方間にまだ溝があることが問題だ。中韓が北東アジアで他国に先駆けてFTAを締結すれば、地域にデモンストレーション効果を生じ、中日韓FTAの一日も早い締結が促される。
世界志向、未来志向の中韓関係。これが朴大統領の訪中によって中韓協力の新時代が切り開かれることへのわれわれの真摯な期待だ。われわれは中韓関係が一日も早く経済と安保の両輪駆動を実現し、域外要因や突発的事態による妨害を乗り越え、自らの論理に立ち返り、北東アジア、アジア太平洋、さらには世界にプラスのエネルギーを提供することを希望する。
中韓両国による21世紀志向の包括的・戦略的協力パートナーシップの構築は、中韓両国民にとって幸せであるだけでなく、朝鮮半島の平和を守り、築くうえでどうしても必要であり、時代の発展の大きな趨勢でもある。
◆は木へんに危
「人民網日本語版」2013年6月27日