しかしドイツの大統領は象徴的な意義しか持たず、実権を握っているドイツの首相はこれまで、ダッハウを訪問していなかった。そのためマンハイマー会長は、メルケル首相は「歴史的」な決定をし、かつてここに収容された人々に対する敬意を示したと述べた。メルケル首相は訪問前に、「私は恥と悲しみを胸にし訪問するだろう。当時強制収容所で起こったすべての悲惨な出来事は、非常に不可解なことであった。これは人類文明の断片だ」と語った。
メルケル首相は、在職中の首相としては初めてダッハウ強制収容所跡を訪問するドイツ政府の首脳となるため、今回の訪問は人々の注目を集めていた。メルケル首相はダッハウで短いスピーチを行い、記念碑に花輪を捧げ、跡地を見学した。マンハイマー会長やその他のホロコーストの生存者は、メルケル首相と共に跡地を見学した。メルケル首相の第二次世界大戦に対する認識は一貫したものであるため、ダッハウ強制収容所跡の訪問前に、ドイツの青年に対して第二次世界大戦の歴史を忘れるなと呼びかけていた。