ファリード・ザカリアの比喩をまねるなら、大国が自重し、しっかりと協力すれば、歌劇場内にこだまするのは和声だ。大国が勝手な行動に出て、足の引っ張り合いをすれば、鳴り響くのは歌劇場全体を振動で倒壊させかねない騒音だ。英紙フィナンシャル・タイムズのコラムニスト、フィリップ・スティーブンス氏はかつて「国際社会が支持しようとしまいとフセイン政権を転覆させようとするブッシュ政権の政策選択によって、第2次大戦後の多国間体制の基礎は空洞化した」と強い憂慮の念をもって指摘した。
現代の世界では、たとえ最強の大国でも、国際関係システムの瓦解という事態に直面することは望まないし、その勇気もないだろう。簡単なことだ。特定の大国が単独で世界を掌握する時代がかつてあったが、現在はそうではないし、将来はなおさらにあり得ないのだ。そのような事をすれば、最終的に四面楚歌となる運命にある。
いかに罪深い者であろうと、改心すれば救われる。シリア問題の政治的解決はシリア国民にとって福音であり、国際社会の期待であり、いくつかの外部の大国にとって喜ばしいことでもある。最低のコストで、解決へと通じる道に従い、一日も早くシリア内部の殺し合いを止めさせ、中東地域情勢を安定させ、国際関係システムを守ることは現実的かつ賢明な選択であり、大国間の協力を通じて重大な問題を解決する有益な試みでもある。
人類は運命共同体との意識を早急に強化し、国際関係の行方に関わる重大な行動に反映させるべきである。大国は自重し、成果を出すべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年9月12日