10月2日、習近平国家主席はインドネシアのジャカルタで同国のユドヨノ大統領と会談した。
習近平国家主席は2日午後(現地時間)、インドネシア・ジャカルタで同国のユドヨノ大統領と会談した。双方は中国・インドネシア関係を全面的な戦略パートナーシップ関係に引き上げることを決定した。
習主席は次のように述べた。
中国とインドネシアはいずれもアジア地域や世界で影響力をもった発展途上の大国であり、重要な新興市場国だ。両国は国の発展プロセスで同じような目標を掲げ、アジア地域の繁栄・安定を守る上で幅広い共通の利益を有し、国際事務の中で多くの共通する考えをもっている。両国関係は二国間のレベルで体現されるだけでなく、地域レベル、国際レベルでも体現される。両国の互恵協力の成果は巨大で、今後の見通しは広大だ。現在、世界の地域情勢は深く複雑に変化しており、戦略協力の強化は両国の長期的な視野に基づく必然的な選択だ。中国はインドネシアを周辺外交の優先的な国ととらえ、インドネシアとの協力を全面的に深め、共同の発展を実現し、両国人民に幸福をもたらし、アジアの長期的な繁栄・安定を守り、発展途上国の団結協力を推進し、世界の平和と発展を促進したいと考えている。
ユドヨノ大統領は次のように述べた。
2005年に両国が戦略パートナーシップ関係を構築して以来、二国間関係が急速に発展した。中国は総合的な国力がますます増強され、国際的な地位が不断に向上している。中国が安定的な発展を維持することはアジア地域と世界にとって極めて重要だ。インドネシアは対中関係を非常に重視し、両国が全面的な戦略パートナーシップ関係を構築することを契機として、中国との協力を強化したい考えだ。
習主席とユドヨノ大統領は、各分野における協力を全方位的に推進し、より高いレベル、より広い分野、より大きな舞台で交流・協力を展開することに同意した。具体的には次の6分野で協力を進めていく。
(1)両国関係の発展という大きな方向性を常に把握し、相手側にとって重要で関心の高い問題について相互に支援しあい、戦略的な相互の信頼関係を強化し、両国関係の長期的で安定的な発展に向けて着実な基礎固めをする。
(2)インフラ建設、製造業、農業、投融資などの分野での協力を強化し、新たな成長源を作り出し、2015年に両国の貿易額を800億ドルに引き上げるという目標を達成する。中国企業がインドネシアの「六大経済回廊」と相互連携・相互接続(互連互通)の建設に積極的に参与することを支援し、インドネシアに両国の総合産業パークを建設することを支援する。石油・天然ガスや新エネルギーなどの分野での協力を強化し、長期的で信頼できるエネルギー協力パートナーシップ関係を構築する。財政金融分野での協力を深め、総額1千億元の二国間通貨交換協定に引き続き調印するとともに、規模の拡大を積極的に検討する。
(3)海上での協力を強化し、政府間の漁業協力メカニズムを構築し、漁業の収穫割当をめぐる交渉をスタートする。宇宙航空分野の協力メカニズムを構築し、宇宙空間の観測・制御、衛星の打ち上げ、応用などの分野で協力を展開する。
(4)防衛・安全保障をめぐる話し合いや海軍の対話といったメカニズムを通じて交流と協力を強化し、二国間の安全保障協力と中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)間の安全保障協力を深化させる。国境を越えた犯罪やテロリズムの摘発、防災などの分野での交流・協力を強化する。
(5)人文交流を拡大し、青年・学生、メディア、シンクタンク、宗教の交流を拡大し、観光をめぐる協力を強化し、野生動物の共同研究を展開する。中国側はジャカルタでの中国文化センターの設立とバリ島での総領事館の設置を希望する。100人の青年による訪問団の相互訪問活動を展開する。中国側はインドネシアのイスラム教長老の中国訪問を招聘したい考えだ。
(6)地域の問題と国際的な問題で調整と協力を強化し、中国・ASEAN間の戦略パートナーシップ関係を共同で推進する。中国側はインドネシアがアジア太平洋経済協力会議(APEC)第21回非公式首脳会議を主催することを支援する。中国は来年に同会議を主催する予定で、インドネシアとの交流と協力を強化し、会議が所期の目標を達成することを確保したい考えだ。インドネシアは中国の来年の同会議主催を支援する。
習主席はまた次のように述べた。
この地域の互連互通建設と経済一体化プロセスを促進するため、中国側は共同でアジアインフラ投資銀行を設立することを提起し、ASEAN諸国を含むアジア地域の発展途上国のインフラ建設に資金面での支援を提供したい考えだ。新しいアジアインフラ投資銀行はアジア以外の既存の多国間開発銀行と協力し、相互に補完しあい、アジア経済の持続的で安定的な発展を共同で促進していくものになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年10月4日