中国はすでに米ロに代わり、アジアで最も高い影響力を持つ大国になりつつある。中国の国家主席は10日間に及ぶ中央アジア訪問を終えたばかりだ。習近平国家主席のように、これほど短期間内に豊かな成果を獲得した大国の指導者は少ない。カーネギー国際平和財団のウェブサイトが9月18日に伝えた。
中国は中央アジアの支援を受けるため、尊重を示し、気前のよい貿易・借款の条件を提供し、国内問題に介入しないという方法をとっている。このようなやり方を、中央アジアの指導者は歓迎している。ロシアと異なり、中国は制限的な貿易政策により各国を拘束せず、また幕裏の政治結果を求めようともしていない。中国のやり方は米国とも異なっており、中央アジアの指導者に対して国内改革の日程表と議題を押し付けていない。
異なる手段は現実の中で示されている。米国の大統領は、これまで中央アジアを訪問していない。1993年に同地区を訪れたアル・ゴア元副大統領の訪問が直近だ。中国の当時の総理と国家主席は1994年と1996年にそれぞれ中央アジア諸国を訪問した。2009年には、中国の国家主席がトルクメニスタンを訪問した。
米国高官の訪問の欠如は、距離と関係したものではない。オバマ大統領はアフガニスタンを訪問したことがあるが、アフガニスタンは多くの中央アジア諸国の首都から飛行機で1時間しか離れていない。また米国の指導者が忙しすぎるという理由によるものでもない。ある中央アジアの外交官は筆者に対して、「中国の国家主席も忙しくないわけではない」と語った。