中国の習近平国家主席は10月2日から8日にかけてインドネシアとマレーシアを公式訪問し、インドネシアではアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にも出席した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究所国際戦略研究部副主任。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
これに先立ち習主席は3月22日から30日にかけてロシア、タンザニア、南アフリカ、コンゴを訪問し、南アフリカではBRICS首脳会議にも出席した。5月31日から6月6日にかけてトリニダード・トバゴ、コスタリカ、メキシコを訪問し、6月7日から8日にかけて米国でオバマ大統領と会談した。9月3日から13日にかけてトルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスを訪問し、その間にロシアで開かれたG20サミット、キルギスで開かれた上海協力機構首脳会議にも出席した。習主席は就任後7か月で、すでに4回外遊し、その足跡は欧州、アジア、アフリカ、米州の14カ国、約10万キロに及ぶ。これは中国の新指導者が外交活動を強く重視していることの表れであり、中国の夢のグローバルな視野を示すものだ。習主席は訪問中、「中国の夢」について繰り返し明らかにした。中国の夢は中国一国の夢に止まらず、世界の賛同を得て、世界の夢と両立し合い、つながり合う必要がある。
中国は全方位的な外交戦略を推し進め続けている。大国外交、近隣外交、発展途上国外交、多国間外交の4大戦略が4回の外遊で十分具体的に示された。世界の大国の中で、習主席は初の訪問国にロシアを選び、米国首脳とは斬新な形式の「庭園会談」を行った。習主席は大国間の「ゼロサム」角逐の法則を打破し、新型の大国間関係を発展させるよう呼びかけたうえで、中米の新型の大国間関係の中身を「非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィン」と鋭く総括した。