李克強総理は間もなく東アジアサミットに出席し、ブルネイ、タイ、ベトナムの3カ国を訪問する予定だ。海外の華字紙は、李総理の今回の訪問に注目している。中国トップの相次ぐ外遊は、中国のASEANの戦略的地位に対する重視の度合いを反映しており、中国新指導部の外交戦略を示していると分析されている。高い経済的実力により、周辺諸国とウィンウィンの関係を構築することが、中国の次の段階の外交政策の主軸となる。
シンガポール華字紙・聯合早報は、「中国の指導者は今月、ASEANと頻繁に交流している。李総理がASEAN訪問を控える中、中国外交部の劉振民副部長も7日、中国とASEANの関係を強調した」と伝えた。
香港紙・文匯報は中国社会科学院学部委員、国際研究学部主任の張蘊岭氏の観点を引用し、「米国はさまざまな措置を講じてアジア太平洋における存在と影響力を強化しており、南中国海問題がアジア太平洋回帰戦略、中国の急速な台頭の抑制の重要な足がかりとされている。しかし東アジアサミットは協議と協力の場であり、ASEAN諸国が米国の同盟に抱き込まれ、集団で中国に対抗する可能性は低く、米国の故意に紛争を起こそうとする狙いは実現が困難だ。外部勢力の介入は問題解決を促さず、対立を激化させるだけだ」と強調した。
米華字紙・僑報は、「発展の流れから見て、中国・ASEAN関係の急速な発展の勢いは、いかなる外部勢力によっても阻止できない。これは双方の共通の利益によって決められるからだ。米国は東南アジア回帰、アジア太平洋リバランスの政策を進めているが、これはいずれも中国の同地域における影響力を弱めようとする狙いがある。しかし米国が同政策を開始してから、中国の同地域における影響力は弱まるばかりか、むしろ強まっていることが事実によって証明されている」と指摘した。
僑報は、「今年は中国とASEANの戦略的パートナー構築の10周年に当たる。この10年間で、中国とASEANの提携は大きな成果を獲得した。過去を振り返ると、中国とASEANは黄金の十年を創出したと言える。双方は未来を見据え、ダイヤモンドの十年を創出する野心と力を見せつけた。アップグレード版の中国とASEANの関係はすべての問題を解決したわけではなく、例えば南中国海の問題が存在する。しかし同問題は中国と一部の周辺諸国との関係におけるほんの一部分に過ぎず、中国と関連諸国との協力の大局に影響を及ぼすことはありえない」と分析した。