習近平国家主席と李克強総理は2週間で相次いで東南アジア5カ国を訪問し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議とASEAN関連首脳会議に出席し、中国・ASEAN関係や南中国海問題について繰り返し意見を述べ、新たな協力提案をし、南中国海問題を積極的かつ堅実に解決するとのメッセージを対外的に発し、思考の革新によって南中国海問題を打開する精神を具現化した。概括すると、この中から南中国海問題打開の3つの道筋が見てとれる。第1に溝の管理・コントロールの堅持、第2に共同開発の探求、第3に海上協力の推進だ。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
溝の管理・コントロールを堅持するカギは南中国海における関係国の行動宣言(DOC)の全面的で実効性ある実行にある。「南中国海における行動規範(COC)」はDOCの延長継続であり、南中国海各国による「COC」の協議・妥結は、中国の行動を束縛するものと見なしてはならず、各国が対話と協議を通じて最大限の共通認識を探り、溝を管理、コントロールし、適切に処理し、南中国海問題のエスカレートと国際化を招く一方的行動を回避するものであるべきだ。
共同開発の探求には現実的な実行可能性がある。8年前に中国、フィリピン、ベトナムの石油会社は南中国海の合意海域で合同海洋地震事業を行うことで合意し、南中国海共同開発の先例を築いた。2011年の中越共同声明は海上共同開発問題を積極的に検討し、話し合う方針を明記した。今回の李総理のベトナム訪問中、双方は中越海上共同開発協議作業部会を設置して年内に北部湾(トンキン湾)湾口外の海上共同開発について具体的進展を目指すとともに、より広い海域での共同開発について協議、検討する方針を発表した。