中国財政部はこのほど、中央財政から補助金の代わりに50億元の奨励金を支給する方式を発表した。この50億元はすべて北京・天津・河北省および周辺地域の大気汚染改善に充てられ、具体的には北京・天津・河北省・内蒙古自治区・山西省・山東省が含まれる。これは中国国務院が9月に「大気汚染防治行動計画」を発表してから、中国政府が大気汚染改善に向けて踏み出した新たな一歩であり、大気汚染改善に向けた決意を浮き彫りにした。
補助金の代わりに実績に応じて奨励金を支給する方式は、予想される汚染物削減量、汚染改善への投入、PM2.5濃度低下率の3項目に基づき資金を支給する。本年度終了後、中央財政は上述した地域の大気汚染改善の成果を審査し、実際の審査結果に基づき奨励金の清算を行う。同方式は、地域の大気汚染改善効果の判断・審査後、それに応じた財政資金を提供することになる。課題をクリアすれば中央財政から資金が提供され、クリアしなければこれが提供されない。これまでの直接的な補助金の支給と異なり、同方式は進化する財政調節手段を示している。各地域が同方式の細則を履行できれば、奨励金を正しい場所へ、実績をあげた企業に支給することができ、コークス・製鉄・石炭・コンクリートなどの主要汚染源業界のクリーン改造の積極性を高め、汚染源から大気汚染を削減できる。
50億元の資金は大気汚染改善にとって大きな金額ではなく、いかにこの資金を活用するかが重要になってくる。平均主義を講じれば、何の助けにもならないだろう。ゆえに「奨励金」である以上、奨励の基準を早期制定するべきだ。この基準は厳しく設定し、最終的な審査結果を数値化し、対外的に公開し市民に納得してもらう必要がある。こうすることにより、奨励金が刺激の作用をもたらし、大気品質が大きく改善されていないにも関わらず、奨励金が支給されるという現象を回避できる。奨励の基準が低すぎれば、誰もが解決できるようになり、奨励金が均等に支給され実質的な効果をもたらさない。