トルコが先月、あまり知られていない中国企業からの長距離ミサイル防衛システム購入を決め、米国とベルギーの軍需産業界を驚かせた。業界幹部や武器販売アナリストは「中国が価格の安さで古株のライバルを敗った」と話す。米ニューヨーク・タイムズ紙が21日伝えた。
いずれにせよ、トルコの選択は中国にとっては突破口となる。この国はすでに武器技術の価値連鎖の向上に視線を向け、世界の兵器市場において有力な候補者になろうとしている。ストックホルム国際平和研究所のシニア研究員、ピーター・ワッセルマン氏は「これは中国軍需産業の非凡な勝利」と指摘する。
周知の通り、中国企業はこれまで小型兵器を輸出してきた。しかしこの状況が急速に変わりつつある。中国の軍需企業は無人機から護衛艦、戦闘機に至るまで、ハイテク装備の発展途上国への売り込みに力を入れている。ロシア企業が感じる圧力が最も大きいが、米国やその他の西側企業も中国との「遭遇戦」が増えている。欧州航空防衛大手EADS戦略・マーケティング責任者のマーワン・ラフード氏は「中国は今後、我々と多くの分野で競争することになる。しかもハイエンド競争だ」と語る。