江原規由:歴史に残る中国の「三中全会」

江原規由:歴史に残る中国の「三中全会」。 11月には、中国共産党第18期中央委員会第3次全体会議(以下、18期3中全会)が開催されますが、その主要課題は“改革開放の深化”です。その底流には、李総理のいう政府と市場、政府と社会の関係をどう処理し再構築していくのかといった党の方針が提示されているとみられます…

タグ: 政府 改革開放 深化 月餅腐敗 

発信時間: 2013-10-23 11:02:14 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

<改革開放で深化される分野とその中身>

さて、18期3中全会で深化の審議対象とされている主分野は、財政、金融、行政、戸籍、土地、資源関連に集約できます。まず、報道や有識者の見解をもとに、その要点を紹介しておきましょう。

財政改革:地方政府負担の社会保障、義務教育、一部医療費の中央政府支出への切換。地

方政府による債券(地方債)発行の認可、税制改革(営改増、不動産税等)など

金融改革:利率の自由化、人民元国際化、中国(上海)上海自由貿易試験区の設立(人民

元の資本項目での開放〈試行〉など)

行政改革:規制緩和の拡大(各種手続きの簡素化・一本化等)、行政の透明度向上(三公消

費〈公費による外遊、公務接待、公用車の購入・使用〉の規制強化、公務員給与・財産の公開)、腐敗取締り強化など

戸籍改革:中小都市戸籍の全面的開放(農民の市民化)など

農村土地改革:農村土地交易の市場化など

資源関連改革:公共料金(水道、ガス、電気、地下鉄・鉄道など)の調整・市場化、資源

関連事業における競争原理の導入など

このほかにも、国有企業改革(民営企業の育成・発展)、一人っ子政策の見直し(将来的少子高齢化に向けた対応)なども深化すべき課題でしょう。そのいずれの改革深化もいくつかの領域にまたがり、かつ、即実践、試行後実践される改革と、一様とは限りません。

筆者は、こうした改革開放の深化の実践・試行の成果をみる現場は、目下急速に進む中国経済の民営化と国際化、そして、都市化にあるとみています。例えば、都市化を例にとると、これまでにない大胆な戸籍制度改革で農村から都市(中文:城鎮)への移動の自由、各階層間および地域間の格差是正、社会保障の充実化が求められ一方、都市人口の増加は内需拡大をもたらし、目下、中国が標榜している内需主導の成長パターンへの転換に貢献すると期待できるでしょう。国際化では、最近設立され、18期3中全会でも議題になっているとされる「中国(上海)自由貿易試験区(後述参照)」の行方が注目されます。

<月餅からみた改革開放深化の側面>

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