だが今や、米国は安保公共財を提供する能力が下がり、その意志も弱まっている。米政府の巨額の債務、中国の急速な台頭を前に、日本などアジア太平洋における米国の同盟国は米国が最終的に自国を守ってくれるのかどうか次々に疑問を呈している。一方で、日本などアジア太平洋における米国の同盟国は中国に対する経済的依存を日増しに深めており、経済は中国に頼り、安保は米国に頼るという「アジア・パラドックス」を招いている。世界第2の経済大国の座を中国に奪われるや、日本の焦燥心はますます収拾がつかなくなった。釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題をめぐる中日の力比べは、試金石に過ぎない。
歴史的な脱亜入欧から、脱米入亜へ転換すべきか?日本当局は甚だしく迷っている。構造変化の駒である安倍氏指導下の日本は、国際社会に2つの検証をもたらした。
1つは、日本が米国の保護がどれほど堅固かを検証していることだ。アジア構造に戦後最も深い変化が生じ、東アジア秩序に明治維新以来最も激しい変動が生じる中、米国について行って、日本の安全をどの程度確保できるのか?日本はどんどん確信が持てなくなっている。米国の仰々しいアジア太平洋回帰が、日本などアジア太平洋の同盟国を真に落ち着かせられるのか、依然として疑問だ。
もう1つは、米国が中国の復興を容認する限界線を検証していることだ。米国は日本を利用して、中国に第二列島線を突破する能力と決意があるかどうかを探ってもいる。中米の新型の大国間関係のプロセスにおいて、中日関係は現実のテストだ。米国は釣魚島事件に対する中国の反応は行き過ぎだと考えている。米国の中国通、ロバート・ロス氏は以前「中国が第二列島線を突破し、米国の勢力を西太平洋へ追い払い、最終的に米国と太平洋を東西で二分統治する構造を作り出せば、中国の台頭に対する米国の容認は限界を超える。こうなると米国のアジア太平洋同盟システムが瓦解するだけでなく、続いてハワイが中国の脅威にさらされ、米国の核心的利益が損なわれる」と書いた。