ロシア極東地域は面積は620万平方キロメートルに達するが、人口は600万余りしかない。新たに就任したアレクサンドル・ガルシカ極東開発相は「このような小規模の市場は、どのみち急速な発展は難しい」とする一方で、「もしアジア太平洋、特に中国の力を利用すれば、極東はロシア発展の新たなエンジンになる」とも強調した。
プーチン大統領は2012年の大統領選時に「ロシア経済の帆に中国の風を受ける」ことを呼びかけた。ロシア沿海地方のウラジーミル・ミクルシェフスキー知事は「ロシア極東地域の経済は国内消費から輸出へと転換しなければならない。この地域の住民は600万人余りしかいないが、ウラジオストクから1時間の距離の場所には約4億人の中国人の潜在的消費者が暮しているからだ。中国東北部は地理的に沿海地方にとって極めて重要だ。例えば商品の輸出入は中国を経由して輸送すれば道程を最大3分の2短縮できる」と指摘した。
■各々の強みを発揮して互恵・ウィンウィンを実現
ロシア科学アカデミー極東研究所のヤーコフ・ベルゲル首席研究員は「ロシアは現在経済成長が減速し、政府歳入が減少し、人口も減少し続けているが、極東開発には財力もマンパワーも必要だ。そのため中国は自らの強みを発揮して、極東開発に積極的に参加し、両国の互恵・ウィンウィンを実現することができる」と指摘。双方協力は以下の面から推し進めることができるとした。
(1)政策上の互恵。中露双方が先日締結した重要な協定の1つが、税関手続きを簡素化し、国境貿易を促進することだ。ロシア税関当局は「協定によって通関申告・納税時間が大幅に短縮され、ロシア産木材および木材製品、中国産野菜・果物など相互貿易における人気商品の往来がより円滑になる。通関申告・納税の障害の撤廃は、両国の期待する相互貿易2000億ドルのより早い達成に資する。両国が9月に署名した「中露税関協力小委員会第5回会議要録」でも、価格面の違法行為の取締り、固体廃棄物、絶滅危惧動植物およびその製品、文化財、違法薬物の密輸および制限以上の現金を携帯しての出入国の取締りなど、各分野の実務協力の一層の推進について合意した。