米紙『ワールド・タイムズ』12日付の社説「米・中、アジア太平洋地域における四大分野での力比べ」は、「オバマ米大統領がアジア太平洋地域におけるリバランス(軍事力の再均衡)戦略を推し進める中、中国も同地域での対外関係のリバランスを進めている。両国は外交、政治、軍事、経済・貿易の四大分野で力比べをしており、それぞれに特技や優れた手腕を発揮している」と指摘した。
外交分野においては中国が一歩リードしている。オバマ氏は国内の予算問題により、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議を欠席したため、習近平国家主席と李克強首相が両サミットの主導権を握り、日本の安倍晋三首相やオバマ大統領の代理で出席したケリー国務長官をはるかにしのぐ影響力を発揮した。
次の力比べは12月最初の週、バイデン米副大統領が中国、日本、韓国3カ国を訪問し、オバマ政権のアジア重視戦略を改めて打ち出す時である。バイデン副大統領がリバランスの重点を中国に据えるのか、はたまた同盟国である日本と韓国に据えるのかで、3カ国に対する重視の度合いをいくらか推し量ることができる。また、今回の訪問で外交手腕を十分に発揮できるかどうかは、2016年の大統領選挙におけるバイデン副大統領とヒラリー・クリントン前国務長官の戦いを左右する重要な鍵にもなる。