「官邸制の実施を模索する」--。この短い一文が、2万字余りの言葉の大海に埋もれることなく、宝石のような輝きを放ち、すぐさま人々の目に留まった。この非常に具体的な改革措置が多くの関心を呼んだのはなぜか?力強いうえに、悪弊を絶つものだからだ。京華時報が伝えた。
官邸制は海外では珍しくないが、中国では一般的でない。いわゆる官邸とは、人々の常識によれば、高官が執務し、居住する場所だ。たとえばホワイトハウスは米大統領の官邸であり、執務室でもある。高官は在任中、官邸に居住できるが、解任、離任、昇任時には明け渡さなければならない。
住居にもなるため、官邸イコール執務室ではないのは明らかだ。だが、ポストを離れる時には明け渡さなければならないため、執務室としての特徴を備えている。これによって高官の住宅をめぐる様々な問題が解決される。
官邸制のメリットは、住居と執務室を兼ねている点にある。在任中は住居と執務室を兼ね備えており、ポストを離れる時には明け渡す。個人としての住宅への影響はなく、分譲住宅を購入する余裕があるのなら、市場の法則に従って購入すればいい。政府の物は政府に帰し、市場の物は市場に帰するということだ。官邸制は財政面でもメリットがある。指導部が新しくなるたびに家屋を複数建設する必要はないからだ。
官邸制の実行を模索することが、高官の住宅という目に見えない福祉のモデル転換を直接もたらし、高官の福祉を可視化、規範化、制度化することは明らかだ。官邸制は指導幹部に対して必要な生活保障を行うものだが、住宅と執務室を複数持つことは認めず、基準を超えるものも認めない。制度面からの整理によって、こうした問題の退路を断つ。