法律の解釈権は非常に重要な権力だ。安倍氏は日本の政権を握った時から、現行の法的枠組みの新解釈によって「集団的自衛権」を弁護し、根拠を探し続けてきた。秘密保護法は秘密漏洩行為に対する刑罰を大幅に強化する。同法の条文に基づき、「国家機密」の定義権は完全に政府が握る。これによって日本政府は何が「国家機密」に属するかの線引きを合法的に行い、さらには無実の罪をでっち上げて反対勢力を叩き、監督の目を逃れ、誰はばかることなく勝手なまねをすることすらできるようになる。法律解釈権を利用して政府の行為の合法性について弁護することに慣れている安倍内閣は、国民による実効性ある監督がなくなれば、日本をさらに危険な状態へ導く可能性がある。
同法案への抗議と反対の声はまず日本国内から上がったが、同法案の国民に対する様々な措置は、法案を裏で推し進める者たちにとって手段に過ぎず、目的ではない。日本政府が秘密保護法をあくまでも推進するのは、法案への抵抗や抗議への予測が十分でなかったためでは決してない。安倍内閣が秘密保護法を計画した着眼点は、国際構造において、特に近隣諸国との衝突時に優位につくことにある。中日間の紛争が激化し、東アジア諸国が外交を強化し、米国がアジア太平洋「リバランス」を実施するという近年の地域環境の中、同法案によって、第1に米日安全保障協力における日本の地位を高め、カードを増やし、米国など同盟国との情報交換・共有を促進することができる。第2に自衛隊の海外行動に向けて情報面の準備を行い、準軍事力を強化することができる。第3に与党はこれによって国内の野党および平和主義者からの牽制をさらに脱し、「国内安定」能力を改善することで、近隣諸国との問題において「外患排除」の効果を高めることも望んでいる。以上3つの目的から見て、秘密保護法の出発点は日本の平和憲法の著名な第9条とも衝突する。第9条の規定により、日本は平和という目標を達成するため、国家または政府の交戦権を放棄し、権利を国民に帰属させた。そして以上3つの目的はまぎれもなく上述の国家と民衆の権力分配関係および平和という目標に背き、逆行するものだ。従って、秘密保護法は中米日という大国の安全保障分野での角逐を激化させる可能性があり、敏感さを増す中日紛争をさらに複雑化させる可能性もある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年12月10日