米海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「カウペンス」が今月5日、南中国海の海域で中国の空母「遼寧艦」を監視し、中国の軍艦と衝突しかけた。環球時報の情報によると、米軍の巡洋艦は当時、中国空母戦闘群のインナーゾーンに入っていた。
疑問1:500メートルの距離
500メートルという距離は、2隻の軍艦にとって何を意味するだろうか?中国海軍の軍事専門家の李傑氏は、「海上の艦艇は通常、時速50キロ以上の速度で航行する。2隻の艦艇が正面から接近した場合、回避しなければ十数秒で衝突する可能性がある。また軍艦は一般的に体積が大きく、500メートルという距離には一定の危険性がある。中米の戦闘機が当時衝突したように、両軍の艦艇の距離が近づけば、事故が発生しやすくなる」と分析した。
疑問2:空母のインナーゾーン
巡洋艦・駆逐艦・護衛艦が加わり、空母戦闘群は近距離・中距離・遠距離の3層の火力システムを構築できるようになった。この1層目はアウターゾーンで、空母から250マイル離れている。2層目はミドルゾーンで、空母から100マイル離れており、主に空母戦闘群の巡洋艦・駆逐艦・護衛艦が任務を遂行する。3層目はインナーゾーンで、空母から10マイル離れており、主に空母戦闘群の駆逐艦・護衛艦が任務を遂行する。
米艦艇の接近は敵対的
中国人民解放軍海軍情報化専門家委員会主任の尹卓氏は、「偵察行動は国際法に違反しないが、遼寧艦は試験・訓練前に臨時のエリアを指定し、世界に向け報告していた。一般的には、他国の艦艇は自らの航行の安全を鑑み、関連海域に入ろうとはしない。関連海域に入った場合は、国際法の規定に従い、中国側の主要艦艇の航路を回避する必要がある。回避しなかった場合の結果については、自ら責任を負わなければならない」と指摘した。
尹氏は、「カウペンスは当時、中国の空母艦隊の間を無断で通過し、中国側の警戒に当たっていた艦艇の警告を無視し、長時間に渡り中国の主要艦艇と並走した。これは非常に敵対的な近距離偵察行動で、挑発行為に近い」と語った。
国際海事機関の規定によると、各国の軍隊の水上艦隊は航行中、他国の軍用・民間用艦艇の航行安全に注意しなければならない。しかし米国側は中国の空母艦隊の間を通過し、中国側の訓練航行を幾度も妨害し、この規定に著しく違反した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月18日