米国防総省の高官はメディアに対して、「中国は12月13日に山西省五寨基地から、中国西部の目標地点に向けてDF-41ミサイルを発射した。同型の大陸間弾道ミサイルの発射実験は、これが2回目となる」と語った。米メディアは、「DF-41は10個のMIRV弾頭の搭載能力を持ち、米国全土が射程範囲内となる」と伝えた。環球時報が報じた。
DF-41は道路移動式発射台から発射されるミサイルで、ロシアの「トーポリM」主力核ミサイルと同列視されることがある。注目すべきことに、米国は中国の核ミサイル発射実験を伝えると同時に、12月17日に本土で大陸間弾道ミサイル「ミニットマン3」を発射し、太平洋上の目標に命中させた。
中国が大陸間弾道ミサイルの発射実験に関する情報を公開することは稀だ。西側諸国からは中国が「不透明」だという批判があがることがあるが、これは中国が大国間の緊張を避けようとする善意としてとらえるべきだ。
DF-41は侵攻型戦略ミサイルで、高い戦略的抑止力とバランス維持の力を持つ。同ミサイルが米国の公開した性能を持つ場合、中国軍に配備されれば世界のパワーバランスに変化をもたらす。米国などの大国は、中国の実力に対する認識を変えるだろう。DF-41は、中国の国家安全を守る新たな基盤となる。
トップクラスの戦略核ミサイルにとって、精度は最も重要な指標ではなく、その抑止力はまず射程距離と、エネルギーの大きさによって示される。米国側の情報によると、DF-41は抑止力を形成するこれらの条件を完全に満たしている。
現代の偵察技術によると、中国の圧倒的多数の核実験は、米国の目から逃れられない。中国は発表を避けることで、一部の国の輿論に対する刺激を減らすことができる。中米にはさまざまな矛盾が存在するが、核問題は両国関係の水面下にある。表面化しているのは、台湾、南中国海、人権などだ。しかしこれは、核問題が永遠に中米の間で秘密事項とされることを意味しない。