中国外交部(外務省)の南ビルの「藍庁」。一つの演壇と300脚の椅子が並べられたこのホールでは、平日の午後3時になると、報道官が演壇に立ち、国内外の記者の質問に答え始める。中国ですでに30年続けられてきたこの情景は、中国の対外開放の模索と発展の忠実な記録とも言える。青いバックの会見台はテレビニュースでもおなじみで、報道官の一言一言は庶民の話題ともなっている。現役報道官である新聞司の秦剛・司長は、「外交部は情報発表のレベルを高めつづけ、国内の人々が『聞いてわかる』、国際社会に『聞いてもらえる』会見の実現に努めてきた」と語る。中国駐在の海外記者からも、海外が中国に耳を傾け、相互理解を深めるのに重要な役割を果たしていると報道官制度を評価する声が上がっている。「環球時報」が伝えた。
外交部の記者会見ホールではこれまで30年の間、無数のフラッシュが瞬き、女性5人を含む27人の報道官が演壇に立ってきた。専門スタイリストなどが付いたことはない。「注目して欲しいのは、私が何を話すかであって、何を着ているかではありません」と外交部現役報道官の華春瑩氏は語る。秦剛氏も記者に対し、報道官はスターではなく、「小さな我を忘れてこそ力強い発言ができる」と語る。
だが人々はそうは見ていない。外交部の副部長だった李肇星は、ある部門に頼まれて国際情勢について報告するはずだったが、急用ができたために報道官を派遣した。会議の進行役はこれに対し、「外交部の我々への重視に厚く感謝します。国際情勢を副部長に話していただくはずでしたが、報道官を派遣していただきました!」と挨拶したという。