サイバー空間は陸、海、空、宇宙に続く「第5の空間」と見なされている。ネット技術の急速な発展に伴い、情報伝播形態に深い変革が生じた。インターネットは各国が奪い合う戦略的陣地となり、テロ勢力の活動展開の重要なツールともなった。国連安保理は先日、サイバーテロの取締り強化に向けた具体的措置を各国に初めて明確に求める決議を採択した。(人民日報「鐘声」国際論評)
「第5の空間」の安全確保において、各国は共通の試練に直面している。国際テロ組織はインターネットを利用してテロ思想を広め、メンバーを募り、資金を調達して、国際テロネットワークを構築し、行動の協調を図っている。ケニアの首都ナイロビのショッピングモールで今年起きたテロ襲撃事件は、ソマリア、英国など複数の国のテロリストがSNSを利用して組織、画策、実行したものだった。また、インターネットの掲示板やSNSは過激派により多くの機会と情報を提供している。ネット上でテロ襲撃の手段を学べば、大量の死傷者を出すテロ襲撃を3~5人で実行できる。今年のボストンマラソン・テロ襲撃事件は、ツァルナエフ兄弟がフェイスブックを通じて過激思想に感化され、自宅キッチンで即席爆発装置を製造したものだった。
中国もサイバーテロの被害者だ。近年、「東トルキスタン・イスラム運動」を始めとする「東トルキスタン」テロ勢力はテロ動画を公然と発表し、中国政府に対するいわゆる「聖戦」を煽動し、新疆地区を始め中国国内で近年テロ襲撃が多発する主たる原因、直接的原因の1つとなっている。「東トルキスタン・イスラム運動」など「東トルキスタン」テロ勢力はサイバーテロに力を入れ、中国の安全と安定を脅かし、国際テロ・過激思潮の氾濫を助長し、国際社会の安全と安定に深刻な災いのもとをもたらしている。