■米国を弄びすぎた
安倍氏が今回騒動を引き起こした大きな背景として、米国の「アジア太平洋リバランス」戦略および黙認があるとの分析が一般的だ。靖国参拝を堅持する安倍氏の行動は、本当に米国の国益に沿うのだろうか?専門家の答えは「ノー」だ。
「もちろん米国の国益に沿わない。安倍氏が過度に歩調を合わせてしまったのは明らかだ」と沈氏は指摘した。「安倍氏は米国を弄びすぎた。安倍氏は日本と米国が対等ではないことを忘れていた。日本は米国の設定した碁盤の中でしか動くことはできず、枠を越えてはならないのだ」。
沈氏によると米国の「アジア太平洋リバランス」戦略は実質的に、新興国の台頭によって他国との力の格差が縮小したためだ。国際問題で力不足を感じた米国はいくつかの国を抱き込んで、力の「リバランス」を実現することを望んだ。安倍氏は喜び勇んで「お先棒」を担ごうとした。だが米国が日本を利用するのが本筋なのに、今では反対に安倍氏が米国を利用して「普通の国」へという夢を実現しようとしている。安倍氏はアジアを不安定化させた正真正銘の「トラブルメーカー」であり、すでに米国の国益と衝突している。
■米国は依然静観
「このところ日本がこれほどまでに勝手なことをしている背景には、米国が黙認し、大目に見ていることがある」と李氏は指摘。中国現代国際関係研究院米国研究所の達巍所長も「靖国参拝以外に、憲法改正、集団的自衛権の解禁なども米国は黙認している。安倍氏の靖国参拝後、米国は『失望』を表明した。これは『遺憾』よりも重いが、まだ『反対』ではない。これは米国の複雑で敏感な心を反映している。現在のところ、米国はまだ静観しているようだ」と指摘した。
米国の不作為には、すでに疑問の声が上がっている。沈氏は「米国の主流メディアやエリートは立ち上がり、安倍氏がいかに悪いことばかりしているのかを米国の民衆にはっきりと理解させ、強大な世論を作り上げ、米国政府の政策決定に影響を与えるべきだ」と指摘。韓国紙・朝鮮日報も9日付社説で「米国は日本の歴史問題に対して曖昧な態度を取るべきではない」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年1月12日