春節(旧正月)が近づき、中国の多くの家庭は旅行計画を立てている。海外旅行を考えている人も少なくないが、大きな問題はやはりビザだ。中国大陸部のパスポートは「使えない」との恨み言が常に聞かれる。香港や台湾のパスポートと比べると大きく劣り、ビザを免除してくれる国は貧困国ばかりで、先進国はほぼ1カ国もない。このためわれわれの海外渡航は極めて不便で、国民の自尊心が深く傷ついているのも確かだ。(環球時報社説)
先進国が中国のパスポートをビザ免除対象としないのは、中国社会の発展水準に対する真の評価の反映であり、普通の中国人に対する真の信頼と尊重の程度を示してもいる。われわれ自身にとっては、手中のパスポートは国を見る1つの物差だ。中国は近年急速に発展し、総合国力も高まっている。だがパスポートは輝かしいGDPと相反する鏡だ。
先進国が中国国民へのビザ免除を拒む最大の理由は、これまで中国からの不法移民の問題が繰り返され、今後も起き続ける可能性が高いからだ。彼らにとって中国人にビザ免除待遇を与えないのは、中国からの不法移民を防止する有効な手段だ。
急速な発展によって中国は多くの沿海地区が豊かになり、海外旅行のできる人々、海外旅行を望む人々が大量に出現した。先進国にとって中国人観光客の誘致は観光業を振興し、雇用を創出する重要な選択だ。この現実的ニーズは中国経済の成長に伴い急速に増大しているが、中国人不法移民の防止というもう1つのニーズとのせめぎ合いが常にあり、これがビザ免除をめぐる状況を決定する。