タイで発行されている中国語紙「亜洲日報」の銭豊副社長は人民日報の取材に「教科書検定基準の改定は日本政治右傾化の新たな現れであり、アジア各国は懸念を抱かざるを得ない。日本は第2次大戦中、アジアの人々に対して途方もない大罪を犯した。日本は歴史を認め、反省して初めて、アジアの人々の信頼を得られる。日本政府は歴史の隠蔽を企てて、教科書検定基準を改定した。これは日本に対する国際社会の反感を引き起こすだけであり、災いが自らに跳ね返ることになる。もし本当にアジア諸国との関係を良くしたいのなら、日本の指導者は歴史を改竄するのではなく、南京大虐殺で亡くなった中国人に懺悔し、強制連行された慰安婦に謝罪と賠償を行うべきだ」と述べた。
フンボルト大学ベルリンで教育史を研究する張楽氏は人民日報の取材に「日本の歴史教科書改訂の最新の動きは非常に危険だ。名目上、日本の小中高校はまだ『自主的に』歴史教科書を選択できるが、政府の規定には日本政府と出版社の『イデオロギー同盟』を結成する傾向があり、市場は封じ込められ、日本の民衆、特に若い世代に歪曲的な誤った歴史観が広められる」と指摘。「ドイツの教育学界は、どのように歴史を書き、記憶を記し、観念を再構築するかは、教育学界だけの問題ではなく、国民社会全体の発展の方向および政治の意思決定と緊密に関連すると考えている。ヒトラーが政権に就くことができたのは、ワイマール共和国末期の社会世論、ドイツ社会の歴史観が緊密に関係する。第2次大戦後、ドイツの政府と民衆は歴史教科書で歴史を素直に認め、過ちを認め、深く省察し、再び過ちを犯さぬよう警戒するとの広範な共通認識を形成した」と述べた。
あるスイス紙は19日の報道で「教科書検定基準の改定は日本政府の『歴史改竄』の企てだ」と指摘。あるドイツ人読者は記事下方のコメント欄に「安倍氏の見解に照らせば、ドイツ人はみな『愛国的でない』ことになるが、これは明らかに現実と一致しない。ドイツ人は歴史に向き合い、耳を傾けることをより望んでおり、より批判的にも扱っている。安倍氏のやり方は事実上、民衆をコントロールして事実を知らず、無関心にさせるものだ。これは日本の人々にとって良いことではなく、彼らを孤立させ、うとくさせることだ」と書き込んだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年1月20日