米国のバーンズ国務副長官が韓国、中国、日本を歴訪中だ。日本の安倍晋三首相の靖国神社参拝によって日本と中国、韓国との関係が一段と悪化する中、国際メディアは今回の歴訪は日中関係、日韓関係の「仲裁」という「重任」を担っていると見ている。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
今世紀初め以来、上は大統領から下は国務次官補まで米側の東アジア訪問は中日韓3カ国全てを対象とすることが多い。1カ国でも欠けると、メディアはその理由を詮索する。
この現象ついて、メディアは様々な解釈をしている。米国が3カ国およびその相互関係を重視しているという点については異論はないだろう。中国はアジア太平洋における台頭中の大国、日韓は米国にとって重要なアジアの同盟国だ。米国がアジア太平洋地域で足場を固め、しっかりと立つには、その政策の名称が「アジア回帰」であろうと「リバランス戦略」であろうと、中日韓との関係をうまく処理することが必須だ。この現象は、米国が東アジア地域の問題で重要な役割を発揮しており、部外者ではないこともはっきりと示している。
日本と近隣国との関係が常にぎくしゃくしていることが、米国のアジア太平洋戦略に難題を突きつけていることは確かだ。日本が今日のような「地域のトラブルメーカー」にまでなったこと、安倍のような政治屋が今日のように近隣国に対していささか好き勝手に挑戦するようになったことについて、米国には逃れられない歴史的責任がある。
第2次大戦後、日本軍国主義とドイツナチズムに対する米国の扱いには、大きな違いがあった。ドイツナチズムに対する徹底的な清算と比べ、米国は冷戦の必要上、カイロ宣言とポツダム宣言の定める義務を厳格に履行せず、軍事占領を機に徹底的に日本の侵略戦争の罪を清算し、軍国主義勢力およびその社会的基盤を取り除くことをせず、日本右翼勢力の強大化を基本的に放置、黙認してきた。特にここ10数年間は「専守防衛」を突破し、軍備を拡充し、防衛費を増額するよう日本を煽動してきた。