筆者の知る限り、中日友好は中国でまだタブーになっていない。政府と民間は、これに対して理性を保っている。安倍政権の度重なる挑発に対して、中国政府と国民は最大の自制と冷静を維持した。中国の1人当たりGDPは日本との間に大きな開きがあるが、中国は国際的な交流において「貧を嫌い富を愛する」こともなければ、「富を恐れ強きを恐れる」こともない。現在の中日の膠着状態に、中国政府の社会の感情に対する理性的な指導がなければ、中国の社会は遮ることのできない国民的な反日デモを起こしているだろう。
協力が利益によって成り立つことは、誰もが知っていることだ。日本は中国経済の発展に支援を提供したが、中国の巨大な市場も日本に豊富な利益をもたらした。最近のメディアの調査によると、回答者の54.6%は「中日外交環境」を鑑み日本車を購入しないと回答した。この膠着状態が長期化した場合、人の心に存在する影がどのような結果を生むか、考えてみるといい。誰もが中日友好の改善の願いを抱いているが、現実的な条件と環境を立脚点とする必要がある。
中日友好の原点に戻り、「尊重」を再確認することが、中日の友好的な交流の基盤と前提である。膠着状態を打破する「ボール」は中国側になく、安倍政権の手中に握られている。安倍政権が中国に対する全面的な挑発を停止し、釣魚島の係争の現実を認め、任期内に靖国参拝を停止すると公の場で約束し、かつこれまでの参拝行為を深く反省し、中国に対する政策と態度を全面的に調整し、中国人の感情および世界の公理を尊重する誠意を見せなければ、中国は「ボール」を受け取る条件を手にし、現在の膠着状態に転機をもたらすことはできない。(筆者:陳福玉 瀋陽軍区大校、学者)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年5月5日