中国最先端の海洋科学調査船「科学号」は12日、初の科学調査任務を終えて母港の青島に帰還した。中国人科学者は今回、沖縄トラフで「黒い煙突」(海底から熱水とともに噴出する黒煙)を発見した。
今回の調査の上席科学者、中国科学院海洋研究所研究院の李超倫氏は記者に対して、「科学号はまず沖縄トラフで、50×50キロの高解像度海底地形図を取得した。隊員はこれまでの資料を参考にし、熱水地帯の位置を特定し、索式水中ロボット(ROV)を使い潜水作業を実施し、2つの黒い煙突、4ヶ所の熱水噴出地帯を確認した」と語った。
李氏は、「2つの黒い煙突は、科学号の調査海域の北部、沖縄トラフの中部に位置する。黒い煙突の周辺では生物の活動が旺盛で、貝類やエビ類など、大量の生物標本が見つかった」と述べた。
科学号は今回、中国科学院海洋先導性科技特別プロジェクト、国家973プロジェクトの西太平洋海底熱水調査の任務を担った。2回の航行の調査期間は計35日に渡り、4065海里を航行した。
今回の航行では、25ヶ所の地質採水・生物採水作業を完了し、異なる水層の水深・温度・塩分・溶存酸素量・メタンガス・濁度などの環境データを取得した。熱水噴出孔および付近の海域では、大型海洋生物サンプルを約1400頭捕獲し、その種類は50種を超えた。また熱水地帯で、底層水・沈積物・岩石・大型生物サンプルから、300以上の微生物株を分離・培養した。他にも硫化物・岩石・沈積物などの地質サンプルを30件以上収集した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年5月13日