習近平国家主席は5月15日、中国国際友好大会・中国人民対外友好協会設立60周年記念活動に出席し、重要な談話を発表した際に、「近年、中国の高度発展に伴い、世界では中国が『国が強くなれば必ず覇を唱える』という道を歩むことを懸念する声が聞かれるようになった。一部では、いわゆる中国脅威論が唱えられている。このような観点・発想について、多くの人は認識に間違いがあり、当然ながら一部の人は根深い偏見を持っている」と指摘した。
中国人は2100年以上前にシルクロードを開通し、東洋・西洋の平等な文明交流を促し、ウィンウィンの足跡をとどめた。周辺諸国の人々は、そこから大きな利益を受けた。600年以上前、中国の鄭和は当時の世界で最も強大であった艦隊を率いて、太平洋とインド洋を7回航行し、30以上の国と地域を訪れた。少しの土地も占領することなく、人々との友好交流および文明伝播の美談を残した。中華民族の血には他者を侵略し、世界に覇を唱える遺伝子が存在しない。中国人は、国が強くなれば必ず覇を唱えるという論理を受け入れられず、世界各国の人々と平和的に交流し、調和的に発展しようと願っている。
中国の周辺外交の課題について、チャイナネットの記者は全国政治協商会議委員に独占インタビューし、観点をまとめた。
「中日関係はどこに向かうのか」
全国政協委員、中国駐米大使の崔天凱氏は、「日本メディアの「中国の軍事費は不透明」「中国脅威論」などの質問に対し、「中日の国交史上において、私たちは日本の領土で発砲したことはないのに、なぜ中国の軍事力の発展が脅威をもたらすとしょっちゅう主張するのか。日本はどのような心理で軍事費について質問したのか。びくびくしているのか。それとも、中国の軍事発展は能力がついてきていないと感じているのか」と問い返した。
全国政協委員、中国国防部外事弁公室の元主任の銭利華少将は、日本メディアによる中国の軍事費増加に対する懸念について、「中国の軍事費の増加が外部から疑問視されているが、軍事費を増やさなければ外部は中国の平和的発展を疑わず、支持さえするのか。軍事費は中国の平和的発展を決める要素なのか。軍事費を増やせば非平和的な発展になるのか」と問い返した。また、「中国の軍事費の増加、軍事力の向上は外国の内政に干渉したり、周辺国との争いを武力を用いて解決したりしない」と強調した。
全国政協委員、第5回中日友好21世紀委員会中国側委員である中国外文局の周明偉局長は、「中日関係が最も困難だった時期、主な矛盾はA級戦犯にあるとし、戦犯と日本の国民を区別した。政治においても、日本の軍国主義の指導者とその他の指導者を区別した」と述べた。また、社会にはあいまいにも「日本を敵視する」感情があり、このような傾向が現れたことに懸念を示した。現在の中日関係の困難の一つに、両国民の相互理解と信頼が欠けてきていることがある。80~90年代と比べて、現在の両国民は相互信頼を失っている。周局長は、社会における民族感情に合わせて日本や日本人を「からかう」という現象を批判した。
全国政協委員、中国駐日本国大使館の程永華大使は、「ドアは開かれていると言いながら、あの表情は何だ?拳を振りかざしながら、口では対話をすると言っている。あり得ることか?」と語り、日本との最近の交渉を振り返った。程大使は、「しかし中日関係の今後の動向については、自信を持っている。まず中国の日本に対する政策決定は正確なものであり、この方針に従い業務を進めれば良い。それから中日両国の交流には2000年以上の歴史があり、長期的に見ると、和すれば双方に利益をもたらし、争えば双方の利益を損なうことが分かる。実際に、日本の多くの人がこれを理解している。長期的に見ると、中日両国は平和・友好・交流・提携しか選択できない。これは我々の取り組みの方向性だ」と指摘した。
「一路一帯の戦略的構想、制覇とは全く関係ない」
全国政治協商会議委員、中共中央対外連絡部副部長の于洪君氏は、「一路一帯(シルクロード経済ベルト・海上シルクロード)は非常にスケールの大きい戦略的構想で、新指導部の国際戦略の方針を示している。これは自国の利益・発展の需要に合致し、関連地域の各国の発展に共通する需要、時代の発展の平和・協力・ウィンウィンという大きな流れにも合致している。この構想の実施には、多くの国と地域の理解・協力・参与が必要だ。しかし一部の国は現在、この構想を中国の全体的な国際戦略と結びつけ、中国が覇を唱える道を歩むのではと疑問視している。これに対して、同構想が中国の平和発展の理念を継承していることを、詳細かつ深く説明する必要がある。国際社会に中国の真の考えと願いを認識させるべきだ」と指摘した。
全国政治協商会議委員、中国誠通国際投資有限公司副総経理で、ロシアでの滞在経験を持つ周立群氏は、「新シルクロードは、通貨・貿易・人心をつなげ、中国および中央アジアの周辺地区の経済協力を発展させる。習主席が上海協力機構に出席した際にも、この構想は各国首脳から賞賛された」と語った。
全国政治協商会議委員、中国アジア太平洋学会会長の張薀岭氏も、「一帯一路の構想は繁栄の道を築き、新たな文明をもたらす。同構想は中国が周辺諸国と共同発展を目指す新戦略で、中国が新型大国の道を歩むことを示す。中国は道を切り開き、その土地を占領するという植民の道を絶対に歩まない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年5月16日