ロシアのプーチン大統領は5月20日より訪中日程を開始し、アジア信頼醸成措置会議(CICA)上海サミットに出席する。今回の訪問は異なる意義を持ち、3つの見所に注目が必要だ。
(一)新段階の中ロ関係は、どのように位置付けられるか?
世界の一部メディアは近年、中ロの「同盟関係」について誇張して伝えており、両国の一部メディア・学者もこれについて議論している。プーチン大統領は4月下旬に、テレビ局の生放送中に、「ロシアは中国と軍事・政治同盟を結ぶことを検討していない。ロ中は元より隣国であり、盟友でもあるが、同盟を組み、古い発想による集団政治を進める必要はない。両国関係は現在順調に発展しており、相互信頼と協力の水準もかつてないほど高まっている」と即答した。
中ロの平等・信頼、相互支援、共同繁栄、友好交流の全面的な戦略的パートナーシップは、同盟を組まず、対抗せず、第3国を相手としない新型大国関係だ。この関係の内的な原動力と活力の多くが、使い切れずに残されている。プーチン大統領が今回の訪中により、いかにして中国と共に両国の全面的な戦略的パートナーシップの潜在力を引き出すかが注目される。
(二)実務的な協力をいかに強化すべきか?
ロシアと中国の実務的な協力については、次の二つの内容に注目すべきだ。
(1)貿易構造のモデルチェンジを一挙実現できない前提の下、大型プロジェクトの協力を全力で推進し、両国の経済・貿易協力の持続可能な発展の基礎を固める必要がある。双方は協力を拡大する重点分野を確定しており、経済・貿易、投資、エネルギーなどの伝統的な分野、ハイテク、航空・宇宙事業などの新興分野のいずれにおいても、共同開発・生産の方向に転じ、両国の科学技術力と国際競争力を共に強化している。