世界で最も活気に溢れ、発展の潜在力が高いアジアだが、安全面の脅威にさらされ、衝突が多発し、不安定な状態にある地域でもある。
パレスチナ・イスラエル問題、イランの核問題、朝鮮半島の核問題、シリア危機、海上権益係争などの従来の安全保障分野において、従来の問題と新たな問題が並存し、テロ、多国犯罪、自然災害、経済金融安全、エネルギー安全、ネット安全などといった従来なかった安全分野でもさまざまな試練に直面している。
外交部の劉建超部長補佐は、「アジアには、歴史の問題もあれば、現実の利益係争もある。領土権益の係争もあれば、地政学政治の駆け引きも繰り広げられている。アジアの一国の内部問題や地域内部の問題もあれば、域外国からの影響も受けている」と語った。
「これほど複雑な情勢にある地域にとって、集団的な安全保障協力メカニズムの構築は必要である」と、中国現代国際関係研究院の李紹先副院長は強調する。
現在、安全保障協力はアジアの「短所」となっている。特に、経済協力の大発展に比べると、安全保障協力面のメカニズム構築は遅れており、整ったアジア安全保障協力メカニズムが形成されていない。
これは、アジア各国の相違に大きくかかわるが、さらに深い面で、冷戦思考やゼロサムゲームの影が潜んでいる。アジア各国は、安全面の相互信頼の醸成を強化しなければならない。
安全保障協力の欠如が今後のアジアの経済協力及び持続的な発展に悪影響を及ぼすのは必至である。中国国際問題研究所の阮宗沢副所長は、安全保障協力の強化はアジア諸国が直面する緊急課題となり、アジアの新たな安全観の提出は、各国の共通認識の形成を促し、安全メカニズムの構築にしっかりした観念面の基礎を打ち固めると見ており、「多様性はアジア諸国の生命力と持続的な発展を維持するための文化的な蓄積であり、安全協力メカニズム構築を阻止するものではない。CICAは、対話を展開し、協力を強化するプラットフォームを提供している」と語った。
アジアの安全保障協力を推進するには、各国が意思疎通を強化し、共通認識を広めなければならない。程国平副部長は、「中国側は今回のCICA会議で共通認識に達し、成果と効果を上げられ、同会議の歴史で一里塚的な意義がある盛大な会議になることに期待している」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年5月19日