中国と領海の係争を抱える日本、ベトナム、フィリピンも同じ場で演習を実施し、団結・友好のムードを示した。しかし係争は係争、演習は演習だ。今回の演習がこれらの係争を緩和するとは限らず、係争も今回の軍事演習の妨げにならなかった。マクロ面のアジア太平洋安全情勢は、中国周辺の小さな食い違いのみに限られてはならない。演習が係争の関連国に示したのは、友好的な対話、世界の融和という平和再建の流れだ。
米国が主催する世界の両洋戦略の間には、アーチ状の衝突地帯、つまり北アフリカ、中東、南西アジア、東南アジア、北東アジアがある。現在の世界安全構造は、中米間の太平洋方面が融和的となっており、ロシア・欧州側の大西洋方面で問題が多くなっている。このアーチの西から東を見ると、西側は乱れ、東側は安定している。
世界安全構造の変化において、最大の力と第二の力が安定すれば、一部の国や地域は3位・4位という現実的な地位を見つけられる。予測可能な世界安全枠組みにおいて、各国はそれぞれの力に見合った責任を果たすべきだ。リムパックが今後も平和再建と力の確認を続ければ、世界平和に福音をもたらすだろう。(筆者:趙宏瑞 ハルビン工業大学法学院院長、教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年8月6日