(1)知識を尊重し、人材を尊重する
われわれが現代化を実現するにあたっては、科学技術を向上させられるかどうかがカギになる。科学技術の発展のためには、教育をしっかり進めなければならない。空論では現代化を実現することはできず、知識と人材が必要になる。現在、先進国と比べ、われわれの科学技術や教育は20年立ち遅れている。科学研究者の数では、米国は120万人、ソ連は90万人に上るが、われわれには20万人余りしかおらず、高齢者や健康上の問題のある人々を除いて、真に役立つ人材は多くない。日本は明治維新の頃からすでに科学技術や教育に注目し、大きな力を注いできている。明治維新は新興資産階級が進める現代化であるが、われわれは無産階級であり、彼らよりよい形で進められるはずだ。
科学技術を推進するには、同時に教育を推進する必要がある。小学校から中学高校、大学までを一貫して押さえなければならない。今すぐに着手し、5年で小さな成果、10年で中くらいの成果、15~20年で大きな成果を得たいと私は考える。教育を行うには2本の道を進まなければならない。教育の普及に注意するとともに、レベル向上に注意する必要がある。重点小学校、重点中学高等学校、重点大学を設立する。厳しい試験により、優秀な人材を重点中学 高等学校や重点大学に集めなければならない。
科学技術システムの中から数千人の優秀な人材を選抜する必要がある。選抜後、これら人材のために条件を整え、研究事業に専念できるようにしていく。
党内では、知識を尊重し、人材を尊重するという空気を必ず作り上げなければならない。知識人を尊重しない誤った思想に反対していく必要がある。頭脳労働であれ、肉体労働であれ、すべて労働だ。
軍隊の中では、科学研究と教育を同時並行する。現代的な戦争を行うのに現代的な戦争知識がないようではいけない。軍隊の指導者や幹部が自ら知識を蓄え、知識を尊重するようにしなければならない。(鄧小平氏が中央の幹部2人に語った談話より抜粋)