米軍の実際の支出を、紙面の数値より劣らせている原因は他にもある。例えば米国は平和で人口が少ない西半球に位置し、衝突が予想される地域から遠く離れている。中国がコロラド州に侵入するはずもなく(映画『レッド・ドーン』のファンには申し訳ないが)、せいぜい台湾やインドに武力侵攻する可能性があるだけだ。米軍は兵士を世界の裏側に派遣するため、巨額の資金を費やさなければならない。
米国の軍事費の使用は、10年前ほど効率的ではなくなっている。米国は近年、効果が疑問視されているプロジェクト、例えばF-35戦闘機などに資金を浪費している。このようなプロジェクトは米国で雇用機会を創出しているが、その米軍に対する効果は疑わざるを得ず、かつ当初のコストを大幅に上回っている。中国の新兵器も、米国の意表を突くことが多くなった。
米国の目標はライバル(中国)と異なり、後者よりも高コストだ。米国はアジア・中東・ヨーロッパの同盟国を保護するため、米軍の空母の巡航と海外の基地を維持しなければならない。これは米国が大戦の実戦に使用するための資金を減らしている。中国には、このような世界的な義務がない。覇権を維持するためのコストは高くつく。
米国が比肩する者なき軍事的地位を維持していると唱える専門家は、事実を誇張していることになる。米国は世界最強の軍隊を保有しているが、その優勢は言われているほど圧倒的ではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月14日