今年7月に米ピュー・リサーチセンターが発表した世論調査によると、中国の近隣国は「中国の急成長は地域全体の発展にとって利益」との認識で一致している。このうちタイ、マレーシア、インドネシアといった東南アジア諸国では、3分の2以上の回答者が中国の全体的印象を高く評価した。(人民日報「鐘声」国際論評)
こうした世論調査の結果は、しばらくの間というもの一部西側メディアが描いてきた中国・ASEAN関係の姿と多少食い違う。後者の報道では、中国・ASEAN関係はしばしば緊張、対立がキーワードとなり、衝突の可能性すら絶えずある。
一体どちらの描写が中国・ASEAN関係の主流をより反映し、中国・ASEAN関係に対する双方の民衆の期待により近いのだろうか?この問題に答えるには、大国の台頭に関する時代後れの思考パターンに基づいても何の役にも立たない。西側原産のモンロー主義を今日の中国に当てはめるそのような手法は不公平であり、事実に反してもいる。その反対に、基本的な客観的姿勢で、近距離で中国・ASEAN協力の現状を見てみれば、視野はもう少し広く、はっきりしたものになる。
第11回中国・ASEAN博覧会と中国・ASEANビジネス投資サミットが16~19日に広西チワン族自治区南寧市で開催される。中国とASEAN各国の経済・貿易協力のこの大舞台で、人々は中国・ASEAN関係の現状および今後を見定めることができる。中国・ASEAN博覧会の発展は一歩一歩前進する中国・ASEAN協力事業の縮図のようなものだ。2004年の第1回中国・ASEAN博覧会の商品取引総額は10億8400万ドルだったが、2012年の第9回博覧会では18億7800万ドルにまで跳ね上がった。博覧会に何度も参加しているタイのバイヤーは「各回の中国・ASEAN博覧会は中国・ASEAN自由貿易圏政策のもたらす好材料を反映している。博覧会への参加を通じて、双方の経済・貿易協力がどんどん緊密化し、自由貿易圏構築プロセスが加速しているという全体的趨勢を深く感じる」と語った。報道によると今回の博覧会に参加するバイヤー団は80以上で、前年比15%増加。ASEAN各国のバイヤーの積極性が一段と高まっている。
今回の博覧会とビジネス投資サミットは「21世紀の海のシルクロードを共同建設」というテーマをめぐって様々な経済・貿易活動を繰り広げる。ASEAN・中国各界の人々が一堂に会して、海のシルクロードの復興のために大計を語り合う。各者の利益は協力によって深まり、互いの心の距離は交流によって近づく。そしてこうした全てが中国・ASEAN関係の行方を決定する最も重要な要素となる。まさにこの意味において、シンガポールの学者・鄭永年氏は「シルクロードは物質面とともに精神面も備える。貿易は単なる物質の取引ではなく、文化的な相互作用と交流でもある」と語った。
経済のグローバル化、地域統合が深く進行する今日、中国とASEANの前途命運は過去のいかなる時にも増して緊密に結びついている。双方が手を携えてより緊密な中国・ASEAN運命共同体を構築しさえすれば、協力の世界の広さ、共に進む道の広さをはっきりと感じ取ることができる。結局のところ、共同発展は共通利益であり、協力・ウィンウィンは人心の向かうところなのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年9月16日