中国の習近平主席は9月17日、中国・インド協力の旅を開始した。今回のインド訪問は、2つのアジアの大国の関係に進展をもたらすに違いない。
理解と友好を深める
長期にわたり、中国とインドは国土が広いこと以外に共通点はないと思われていた。しかし、それがこの頃変わってきている。発展途上の大国である両国は、西側や日本が主導的立場に立つ古い体制に不満を感じている。両国の国際舞台における立場が変わっていることにより、双方の協力はますます重要になっている。習近平主席の今回の訪問は、インドにとって重大な意義があるだけでなく、地域ひいては世界にも影響を与える。
今回の訪問は、アジアの1番目と3番目に大きい経済圏の関係の動向を決めるといえる。双方は投資、二国間の貿易赤字の縮小、国際的重大問題の共同対処の面で共通認識と大きな期待を持っている。インドの貿易担当相は、「習近平主席の今回の訪問が過去50~60年間のインド・中国関係に指向性の変革をもたらすことを望んでいる」と話した。
「龍」と「象」の協力を強化
習近平主席のインド訪問は地域の力関係の微妙な変化を表している。このような変化はアジアの2つの大国の関係をよくするだけでなく、中国と最大のライバル日本の間の影響力争いの新しい一章の始まりにもなる。インドと良好な関係を築くことは中国の地域戦略で極めて重要な部分であり、訪問し面と向かって直接交流し、協力強化・共同利益を実現するチャンスを広げた。訪問では、貿易、投資、数十年にわたる国境争い問題が主に話し合われた。インドは老朽化したインフラの改造に取り組んでおり、世界2番目に大きい経済圏の中国は高速道路や鉄道、工業区の建設で多くの功績を収め、多くの経験をインドに提供することができる。
インドのモディ首相は先日、5日間の日本訪問を行った際、双方の安全保障や経済分野の連携強化、日本のインドへの5億ドル投融資という成果を持ち帰った。習近平主席は訪問で、インドへの投資を承諾するだけでなく、更に重要となる信頼強化と重大国際問題の共同対処を進めた。日本がこれに及ぶのは難しいだろう。日本が未来の世界に与える影響力は発展が最も速いこの2カ国ほどでないためである。中国とインドの「運命共同体」構築は25億人に利益をもたらし、実現の意義が非常に大きく、国際新秩序の構築に大きな役割を果たすに違いない。
中国とインドの台頭による「アジアの世紀」がますます際立っている。習近平主席はインド訪問中、「アジアの世紀」に再び言及し、双方が「アジア台頭」で共通認識に達すことに自信を示し、本当のアジア台頭には両国が手を取り合って共同で進め、繁栄を共に促進する必要があると強調した。
中国とインドの戦略的な共通認識はずれをはるかに上回り、双方の協力は最も必要なことである。隣人は決められないが、友情は育むことができる。問題は回避できないが、答えは生み出すことができる。歴史は書き換えられないが、未来は作り出すことができる。