日本メディアの報道によると、ロシア太平洋艦隊と海上自衛隊が9月末に、海上合同演習を実施する可能性が出てきた。同演習はウラジオストクの海岸線からほど近いピョートル大帝湾で実施される予定で、海上捜索・救助訓練などの内容が含まれる。
クリミアが国民投票によりロシアに編入されてから、両国の合同演習が行われるのは初めてだ。捜索・救助の合同演習は1998年から14回行われており、昨年12月に京都市付近で行われた演習が最後だ。防衛省の関係筋は、「海上の捜索、救助は軍事的活動ではなく、人道的活動であるため、ロシア側との協力は続く」と述べた。日本はウクライナ情勢を受けて、西側による一連の対ロシア制裁に加わっていることに注意が必要だ。
軍関係者の交流は、日本によって凍結されていた。3月に予定されていたロシア連邦軍参謀本部のヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長の訪日は中止になり、外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)の実施に関する情報もない。ロシアは8月、クリル諸島(日本が領有権を主張する島嶼を含む)で演習を行った。この決定は、ロシアが極東だけでなく、アジア太平洋地域全体への軍事的・経済的関与の維持に毅然たる姿勢を持っていることを、日本に示すことを目的としていた。 両国が「人道的な」海上演習を続けるからといって、軍事・技術協力の発展や、安全保障問題に関する対話の再開について論じるのは時期尚早だ。
両国の軍事・技術的協力は、いくつかの要因によって制限されている。
(一)日米同盟関係、安全保障体制、軍産複合体の関係。日本とロシアの完全な軍事・技術的協力関係の発展は、特にハイテク分野において困難となっている。極東のロシア連邦軍と自衛隊の課題が正反対にあることから、両国の軍事演習の実施にも大きな意味はない。
(二)日本と中国の関係、アメリカと中国の関係が緊張を強める中、ロシアと中国の戦略的パートナーシップは、ロシアと日本の軍事・技術的協力を困難にしている。