■「新型の大国関係」を再確認、強調
王帆・外交学院副院長は中米関係、地域の焦点となる問題からグローバルな議題まで、いずれも話し合われるとの見方を示した。両国関係については「中国の提唱する新型の大国関係が再確認され、強調されるだろう。世界的大国として、中米両国は新型の大国関係について一般原則をいくつか有している。次の段階では、具体的議題においていかに推進するかについて、共通認識を形成することになる」と指摘した。
中米協力では、気候変動やエネルギー問題が重点となる可能性がある。「米国のシンクタンクもこれを比較的重要な議題と考えている。こうした比較的ソフトな議題は、合意がより容易だ。米国は新エネルギー技術を有し、中国も低炭素・排出削減の推進に力を入れている。こうした議題において新たな協力の契機を得る可能性がある」と王氏は指摘した。
王氏は、外交問題ではテロ対策が議題の1つとなるとの見方を示し「全体的に言って、中米はテロ対策問題で観点が一致しており、共にテロを人類に対する重大な脅威と捉えている。両国はさらに大きな協力をすることができる。われわれは、米国がテロ対策問題でダブルスタンダードを持たないことを望んでもいる」と述べた。
王氏によると、中国周辺の焦点となる問題は避けることができず、中日関係、朝鮮核問題にも多少言及することとなる。「こうした焦点となる問題は中国の核心的利益にかかわる。中国は米国が問題を一層複雑化させるのではなく、積極的役割を発揮することを希望している」。エボラ出血熱、イスラム国、ウクライナ問題など世界レベルで比較的深刻な安全保障上の問題についても意思疎通を図ることになると見られる。
清華大学中米関係研究センターの孫哲センター長も「首脳会談の話題は広範で、通常中米関係から始まって、地域情勢、世界情勢まで話し合い、アジア太平洋の安定に重点的に言及することになる」と指摘した。
王氏は「中国周辺で焦点となる問題がしきりに生じる複雑な情勢の下、両国首脳会談はこうした問題の管理・コントロールにとって積極的な意義を生じることができる」と指摘。また「両国首脳はサニーランズでの会談のように長時間話し合うかも知れない。こうした会談は互いの信頼と理解を深めることができ、首脳間の信頼は両国間の信頼強化にもなる」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年11月5日