軍事関連サイトの2014年11月25日の報道によると、米国の計画総工費が数十億ドルに上り、建造の進捗や経費で批判を浴びているジェラルド・R・フォード級航空母艦は、交付時になっても竣工できない可能性があり、さらに資金を追加し作業を進めることになりそうだ。延期により、10数億ドルの経費が追加される。同艦の総工費は議会の設定した129億ドルの上限を上回り、世界最高額の空母になる見通しだ。
・フォードは「ウルトラ空母」
フォードは次世代原子力空母だ。米海軍とノースロップ・グラマン社が2007年に締結した契約書の内容を見ると、1番艦の当初の予算は137億ドルとなっている。しかしこの総工費は現在も拡大を続けており、米国・世界の海軍史における最高額の空母となっている。全長は333メートル、幅は40.8メートルで、巨大な飛行甲板を持つ。排水量は約10万トン、定員は2500−2700人で、まさに「ウルトラ空母」だ。
フォードの凄さは、その設計と加工の過程にもある。フォードの建造は3Dのパズルを組み立てるようなもので、同スケールの木の模型を使っていたニミッツ級とは異なっている。米国のエンジニアはフォードを建造する過程において、特製のメガネを装着し、コンピュータの置かれた艦船設計センターで大スクリーンを見ながら設計すれば良い。スクリーンに表示される船内の3D模型では、すべての詳細な点を見て取ることができる(ポンプ、パイプ、座金、ネジなど)。エンジニアはすべてのデジタル部品にナンバーを振っており、サプライヤーも明記されている。設計完了後、デザイナーは設計図のデータをパソコンに入力し、各地の加工場に伝送する。こうして、フォードはヴァーチャルの世界から現実に戻される。「1隻の空母の建造は、1つの都市の建造に劣らない」と言われるのも道理だ。