しかし、毛沢東は非常に大きな過ちを犯した。特に1950年代、60年代の「大躍進」と「プロレタリア階級文化大革命」がそうである。1976年に毛沢東が亡くなると、鄧小平が最終的に国家の最高指導者となった。正に彼の指導下で、中国は対外開放を実現し、グローバル経済に溶け込むようになった。さらにこれも彼の指導下で、中国は絶え間なく豊かさを目指す道を歩み始めた。
改革開放以来35年間の急速な発展を経て、中国の経済規模は今日すでに世界第2位となり、あと何年もたたずに第1位になる見込みである。こう予測するのは国家と上層部が比較的安定しているからである。習近平を中核とする中国の新たな指導者層はこのような発展モデルを確信しており、同時に、経済の急速な発展がもたらす煩雑で重要で膨大な任務を処理しなければならない。2020年には都市・農村の一人当たりの収入を2010年比で倍増させ、引き続き中国の特色ある社会主義を完全なものとし、発展させ、国家ガバナンス体系とガバナンス能力の現代化を推進し、中国の長期的発展のために堅固な基礎を打ち固めなければならない。新しいタイプの工業化、情報化、都市化、農業の現代化の共同発展を推し進め、同時に投資と消費を喚起し、金融業も改革しなければならない。習近平がとりわけ重視しているのは、腐敗、環境汚染、違法な土地の占有、労使紛争、食品の安全欠如などにより引き起こされる問題である。
大都市のスモッグに対する処置は重要な課題だ。二酸化炭素のスモッグをもたらす原因は複雑に絡み合っており、複数の対策措置を同時に、大規模に投入する必要があり、一般庶民へのエネルギー供給や彼らの収入に影響を与え、また国家の気候政策にも影響してくる。地球の温暖化阻止の掛け声を前にして、中国は傍観者になり続けることはできない。
絶えず強まる高齢化も中国が直面するもう一つの深刻な問題である。高齢化は都市化にともない急激に進行しており、全国的な老後保障がまったなしとなっている。同時に、中国では一人っ子政策が見直しを迫られている。中国の戸籍制度も早急に調整を要する。
今日中国を訪れる人は、中国が同時に多くの仕事を推進していることに気づくだろう。農民労働者の権利はより保障されるようになり、より大きな高収益の農業企業が現れた。もし40年前の毛沢東時代を経験してきて、あの当時の状況と今日の中国とを比較したなら、今日の中国公民の発展空間、自由、さまざまな権利など、すべてが尋常ならぬ広がりを獲得したことが分かるだろう。
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