書評『習近平 国政運営を語る』
――ヘルムート・シュミット(元ドイツ首相)

書評『習近平 国政運営を語る』
――ヘルムート・シュミット(元ドイツ首相)。 最初に中国を訪れたのは1975年だった。そのときから中国の内政・外交には巨大な変化が生じた。私はこの数十年のあいだ何度も中国を訪問しているが、中国の5000年に及ぶ悠久の文明にはたいへん心をひかれる。そして、習近平のこの本からも得るところが大であった…

タグ: 習近平 国政運営 軍事技術

発信時間: 2014-12-03 14:51:55 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 疑いもなく、中国は伝統と現代化の調和ある共存を実現した。2500年にわたり、中国人は常に儒教の理性倫理学を信奉してきた。20世紀初頭までの少なくとも1000年以上のあいだ、中国は封建官僚に統治され、儒教思想は中国の指導的思想であった。中国共産党は1949年に政治を執るようになると、まず儒教思想を排除した。しかし、今日の中国では、事実上中国人とは切っても切れない儒教思想がまさに回帰しつつある。習近平主席の儒教思想についての説明は、中国の日増しに強まる文化的自信をはっきりと示している。中国のような大きな国では、国家の凝集力が非常に重要である。ただし、民族主義に頼ればかえってその害をこうむるだろう。なぜなら、それは不本意な危機、甚だしきは戦争を引き起こす可能性があるからだ。そして、悠久の歴史をもち内容豊かな中華文明のほうが、より中国人の自信と自覚を強めることができるからだ。実際、中国5000年の文化の中には帝国主義的発想はいささかも見出すことができない。中国はずっと和を貴しとしてきた。一例をあげれば、中国の歴史に記載のある15世紀の航海家鄭和将軍は、海上の優勢を握っていたにもかかわらず、武力を濫用することはなかった。

 第二次大戦後、西欧諸国は中国に対して徐々に比較的理性的な態度をとるようになった。ユーラシア大陸はまず経済の分野でしだいに接近を果たした。今では、EUは中国の最大の貿易パートナーであり、中国はEUの第二の貿易パートナーである。中国・ドイツ関係も有史以来最も良好な時期にある。

 しかし、私がずっと残念に思っていたのは、中国の上層指導層の欧米に対する理解のほうが常に欧米の中国に対する理解より多いということだ。習近平主席のこの新しい著作の刊行はこのような現状を変える有益な試みの一つである。本書は外国の読者に、中国の指導者がどのような哲学に従っているのか、中国の向かう方向はいかなる戦略方針に基づいているのかを教えてくれる。これで、世界はよりよく中国の発展、特に中国の内政・外交政策を調べ、理解することができる。習近平主席は中華民族の復興という中国の夢を実現することを希望している。中国はそのためには必ず自らの道を見出し、再び世界の強国とならねばならない。このような本は外国の読者が客観的、歴史的、多角的に中国を観察し、よりよく中国を理解し、より全面的に中国を認識する助けとなる。欧米諸国はたびたびせっかちになって、中国および中国の指導者の面前で教師の役目を演じようとする。人に教えようとするこうした態度は往々にしてその傲慢さゆえに壁に突き当たる。欧米諸国はもう少し気を利かせて一歩退き、公平な競争に役割を委ねるべきなのかもしれない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月3日

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