次に、台頭するインドの戦略と態度は重要な要素だ。インドは今、台頭の重要な時期を迎えている。モディ首相はこのほど、「メイド・イン・インド計画」の全面的な始動を宣言した。これにはインドの製造業の発展を促し、インドを最終的に「世界の工場」にするという狙いがある。インドの台頭がアジア諸国の利益を排斥するか、他国とウィンウィンを実現するかが重要な問題だ。これはインドの「ライオンの夢」の発展の機会と空間を決める。アジアで形成中の「中国の秩序」に対する態度は、インドが平和的な台頭を実現できるか否かの試金石になる。
最後に、ロシアの影響も未知数だ。ウクライナ危機により、欧米はロシアに経済制裁を加えている。米国からの圧力を和らげるため、中国と連携強化することは、ロシアの一時的な策になると分析されている。ウクライナ危機はある意味、ロシアの現代化生産体制の発展に対して、強い圧力と原動力をもたらしている。アジアが形成中の経済一体化体制も、ロシアに外部からの支持を提供する。ロシアがアジア経済一体化に加わるか否かには、不確定性が存在している。
中国はアジアの「中国の秩序」の形成推進を望んでおり、アジア諸国が中国側につくことを歓迎する。中国の経済構造のモデルチェンジとアップグレードが実現されれば、アジア経済の成長の原動力も強化される。中国は今後、より多くの労働集約型の生産能力を引き出し、アジアの発展途上国の経済成長により幅広い空間を提供する。中国はまた、アジア諸国に自国の発展の経験と管理体制を紹介し、アジアの「中国の秩序」に制度・価値両面の新たな活力を注ぎ込むことが可能だ。(筆者:張傑 中国人民大学国家発展・戦略研究院研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月7日