このほど、アジアで「中国の秩序」が形成中かという話題が注目・議論されている。海外メディアは、アジアで形成中と見られる「中国の秩序」は、中国と周辺諸国の歴史における「朝貢」の復活、もしくは排他的な世界の新秩序、特に米国のアジア太平洋リバランス戦略をけん制し対抗する措置であり、アジアの「米国の秩序」に対する挑発と分析している。これはすべて誤読だ。
アジアが形成しつつある「中国の秩序」の中身を見ると、中国はアジアの主な推進者・主導者であり、経済面で包括的な生産分業体制と経済発展の秩序を形成しようとしている。アジアの「中国の秩序」は経済レベルのものを指し、地政学的な利益のレベルではないことを強調しておくべきだ。アジアの「中国の秩序」を維持する基盤は、地域内の包括的で平等な、経済の相互依存を特徴とする「発展同盟」という構造の形成の促進にある。ゆえに、「中国の秩序」は世界秩序、もしくは米国の秩序を脅かすものではない。またアジアで「中国の秩序」が形成されるか否かは、中国の意向によって決まるのではなく、アジア諸国の経済繁栄に対する共通の願い、現実的な需要、アジアの平和・発展の大局の維持に対する共通の意思によって決まる。
アジアは現在、「中国の秩序」の形成で3つの課題に直面している。まずは米国のアジア太平洋リバランスとTPP戦略だ。米国はアジアで中国を排斥するTPPを構築し、米国経済の利益を中心とする地域のバリューチェーンを再構築し、中国の主導的な地位を打破しようとしている。米国はさらに中国と周辺諸国の利益の対立を煽り、側面から攻撃している。