国際海洋法裁判所は、『国連海洋法条約』に基づき1996年に設立された。本部はドイツ・ハンブルク。同裁判所は簡易裁判部、漁業紛争裁判部、海洋環境紛争裁判部に分かれる。同裁判所は当事国の要請に応じ、特別紛争処理裁判部を設置することが可能だ。同条約の規定に基づき、同裁判所は21人の独立した裁判官によって構成される。
国際海洋法裁判所のウェブサイトを見ると、同裁判所は22件の紛争を受理しているが、これらの紛争のほとんどは南中国海の係争とは何ら関係していない。例えばガーナ当局は2012年10月に米国企業の要請に応じ、同国の港湾に停泊していたアルゼンチン海軍練習船「リベルタッド号」を拘留し、アルゼンチン国債の債務返済を迫った。各関係者の交渉の甲斐なく、アルゼンチン政府は11月14日に国際海洋法裁判所に提訴した。国際海洋法裁判所は判決を下し、拘留中のアルゼンチンの船舶を遅くても同月22日までに無条件解放するよう、ガーナ当局に要請した。
日本は提訴数・被提訴数が最多の国で、1999年にニュージーランドとオーストラリアから提訴された。日本は2007年にロシアを2回提訴し、拘留された自国の漁船を返還するよう求めた。
すべての紛争のうち、海洋境界に関する紛争は1件のみだ。バングラデシュとミャンマーは、ベンガル湾の海洋境界に関する紛争に陥っている。専門家によると、同条約の強制解決手続きが、海洋境界に関する紛争で発揮できる力は非常に限られている。特に南中国海のような海洋の紛争の他に島嶼の紛争にも関連する場合、その管轄範囲を大幅に上回ることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年12月8日